技術の進歩でオンライン診療は確実に広がっていく
とはいえ、「対面診療が主であることは変わらないものの、オンライン診療は今後も確実に広がっていくでしょう」と加藤さんは明言します。
すでに薬の処方は来年度以降、電子カルテなどとの連携で薬局に直接処方箋が届くように改善される旨が発表されています。
「通信速度が5Gになり、4K、8Kといった微細映像も導入されていけば、オンラインでも細かい診療ができるようになります。
また、360度カメラの導入で患者さんの様子を角度を変えて見られるようになったり、バーチャルリアリティ(仮想現実)によるバーチャル診察室で診療を受けられるようになったりしていくと考えられます」。
患者の診療情報についても個人のスマートフォンなどへのダウンロード、クラウドでの集中管理などが進み、医師や患者が場所を問わずに診療情報を閲覧できるようになると見込まれています。
眼科医として、これまで1500件以上の手術を担当してきた加藤さんは、同時に、患者が自分で治療を中断したために病状を悪化させた例もたくさん診察してきました。そして、診療の継続の重要性を感じたことで、大学院で医学教育を学びました。
また、かかりつけ医となる一般内科などでは眼科の診療に慣れていないことを実感し、医師向けの眼科アプリを開発しました。
「オンライン診療が進むにつれて、それに向いている疾患や患者さんのタイプが明らかになってきます。これからも患者さんが無理なく治療を続け、病気の悪化が防げるよう、現場での診療も続けながら、同じ志を持つ仲間を支援することで医療に貢献したい」と加藤さんは語ります。