「『ライヨール』のナイフに合うものを」と、見つけた「エルメス」のフォーク。金属の色味とマットな質感がぴったり合った。Tips2
デイリーに活躍する上質なステンレスのカトラリー
「カトラリーによって、1枚のお皿も雰囲気が変わり、料理の味わいも変わります。クリストフルデビューの後、器や料理によってそれぞれ合うカトラリーが必要になり、徐々に買い揃えていきました」という多美保さん。中でも、デイリーづかいやカジュアルなおもてなしに活躍しているのは、上質なステンレス製のものが多いと言います。
フランスのテーブルウェアブランド「エルキューイ」の流線形のデザインがモダンなアポストロフィ。そして、切れ味の良さとチャーミングな蜂のモチーフで知られる「ライヨール」のナイフには、ナイフのマットな質感に合う「エルメス」のフォークを合わせて。
最近「ハウス オブ ディオール」で見つけたオリーブ材の柄のものは、カジュアル・リュクスな雰囲気がお気に入りなのだとか。全て6人分ずつを揃えています。
どんなに器が素敵だとしても、そぐわないカトラリーではセッティングが台無しになってしまうもの。カトラリーにまで心を配ることが、美しい食卓を作る決め手になるのです。
お母さまが使っていた「ダンスク」のカトラリー。北欧らしいフォルムの美しさは40年以上経っても色褪せず、多美保さんは今でもウィークエンドハウスで使っている。アンティークならではのデザインが美しいイギリスのステンレス製カトラリー。Tips3
各国らしさに富んだデザインを名脇役に
さまざまなデザインも、カトラリーの面白さの一つ。フランスやイギリスをはじめ北欧の品々は、不思議とその国らしさを形や装飾の中に宿しています。
デンマークのテーブルウェアブランド「ダンスク」のカトラリーは、マットなステンレス製。モダンでありながらもぬくもりを感じさせるデザインは、日常の食卓に美しく溶け込みます。
一方、イギリス製の前菜用カトラリーなどは、繊細な装飾がアクセントとなって、使うたびに目を楽しませてくれるアイテム。シンプルな器に、優雅さを添えてくれます。
「カトラリーは思いのほか、目立つもの。同じクロスとプレートであっても、異なるカトラリーを合わせるだけで印象がガラリと変わるんです」
カトラリーは、いわばコーディネートの仕上げとなる名脇役。デザインの個性を見極めて、コーディネートに生かします。