そして、トルコならではの美しいデザインが凝縮されている建物が、このスルタンアフメトモスク。世界一美しいモスクと謳われる、トルコを代表する巨大モスクです。
このモスクは、ブルーモスクとも呼ばれ、壁という壁に装飾タイルが敷き詰められています。これは、トルコのタイル主産地であるイズミック製。美しすぎてめまいがするほどでした。
あ、めまいといえば……このモスクは入る時に全員靴を脱がないといけないんですね。一日中歩き回った、おびただしい観光客という観光客の皆さんが、一堂に会してその“熟成した靴”を脱ぐんです、はい。
そうなると、もう、……か、香りが(笑)。
最後まで言わなくても、想像がつくと思いますが、臭いに敏感な私には、いろんな意味でクラクラ来ちゃうモスク体験でした。ただ、私の夫や友人達は全然平気そうだったので、個人差はあるかもしれませんね。
そして、なんとここではきものを着ているからこそのトラブルも発生!
モスクに入る時は、女性は髪の毛をスカーフなどで隠し、腕や脚なども露出してはいけないとご存じの方も多いかと思います。アバヤの着用が義務付けられているサウジアラビアでも大人気だったきものですから、当然ここでも大丈夫だろうと私は踏んでいたのですが。
なんと……入り口で止められてしまったんです!
ファッションチェック担当のガードマンがきものについて何やら問い詰めてくるのですが、私、アメリカ英語以外の訛りのある英語を聞き取るのが苦手でして。一体何がダメなのか、何で止められたのか全くわからなかったんです。
そしたら、隣にいた私の友人(アメリカ在住の私より断然英語が上手な日本人女性)が「違う!違う!これスリットじゃないから!」と反論してくれたのです。そこで、ことの顛末がようやく理解できた私。
なんとこの彼、前身頃の重なっているラインを、まるでチャイナドレスのようなセクシーで大胆なスリットだと思ったようなんです。だから歩く度に私の美脚(笑)がチラチラしてしまうのでは!?とヤキモキしちゃったんですね。
その時は誤解を解くのに必死でしたが、後から思い返してみれば「もしもきものが、チラチラパラダイスのセクシー民族衣装だったら……きっと日本の歴史変わってたよね」と思わず笑ってしまいました。
日本ではありえないような誤解ですが、これもきものを海外で着るからこそ得た経験であり、また海外の方から見たきものの間違ったイメージを身をもって知ることができました。
皆さまもきものでモスクに入る時は、お気をつけ下さいね!想像しないような質問が飛んでくることもございますので。