いい人すぎるほどいい人な悟を演じる上で意識していたことは……?
ナナに対してはもちろん、周囲の人たちにもとにかく優しい悟。福士さんの目にはどんな人物に映っていたのでしょうか。
「彼の過去を知ったことで、きっと愛を求めている人間なんだろうなと感じました。だから、すごく優しくなれるというか……。愛に敏感なんだろうなと思います。そういうところから、猫や人への愛情が持てて、でも人に対して少し距離をとってしまう、身を引いてしまう自分もいる。そういう人物だと思いました」
そんな悟を演じる上では、セリフを「素直に言う、嘘がなく言うことを意識していました」という福士さんですが、そこには不安もあったといいます。
「いい人すぎるほどいい人なセリフがあるので、自分に言えるだろうか、素直さを表せているだろうかという不安がありました。悟って本当にそんなこと思ってるの?と観ていただいている方に思われてしまうと作品が変わってきてしまうので。セリフをどれだけ真実として言えるかが、悟の人柄をきちんと伝える条件だなと思いました。完成した作品を観ると、悟というキャラクターがちゃんと見えたのでよかったなと。皆さんにも伝わるとうれしいです」
劇中には高校時代の悟も登場。「大人の悟より一段素直に。高校生としては大人ですが、悟なりの若さ、未熟な部分を意識していました」