フィギュアスケート愛(eye)とは……本誌『家庭画報』の「フィギュアスケート」特集を担当する、フリー編集者・ライターの小松庸子さんが独自の視点で取材の舞台裏や選手のトピックスなどを綴ります。
バックナンバーをもっと見る>>> トークタイムに登場した髙橋大輔さん、宇野昌磨選手、田村岳斗さん。左内転筋の肉離れのため、大事を取って出演を見送った髙橋さんですが、スケート靴を履いて氷上で観客の皆さまにご挨拶。元気な姿を見せてくれました。写真/中西裕介/アフロスポーツ今までの髙橋さんとは何かが違う?
肉離れでアイスショー出演取りやめ後の囲み会見のコメントから。
2018年7月1日、電撃的に現役復帰宣言をした髙橋大輔さん。8月18日からの「プリンスアイスワールド2018」広島公演にて新プログラムのお披露目が期待されていましたが、直前の北海道合宿でアクシデントが勃発。
左内転筋の軽度の肉離れとの診断を受け、大事をとって、「プリンスアイスワールド」広島公演、「フレンズオンアイス」の出演をキャンセルすることになりました。大いなる勇気のもと、覚悟を決めての復帰だったはずなので、スタート前の思わぬ事態にかなり凹んでしまっているのでは……と心配しつつ、「フレンズオンアイス」公演に伺ったのですが。
そこには、予想していたより明るい顔をした髙橋さんがいました。かつての現役時代とは明らかに違う表情。その理由をひも解くべく、内面の変化を感じられて印象的だった言葉を8月23日のプレス公演後に行われた囲み会見から拾ってみます。
1、 大会の直前ではなくてよかった!
——怪我をした時、どう思いましたか?「ブロック大会がぶっつけ本番になるので不安はありますが、そんな中でもブロック大会の直前ではなくてよかったという気持ちがあります。いい勉強ができたなと。“もうちょっといける”というところで頑張りすぎるのはダメだということが学べました」
2、今までのような焦りは感じていない
「怪我をしましたが、その間にもできることはあります。元々どこまでいけるのかわからない、何もできなくて当たり前というところからのスタートなので、今までのような焦りは感じていません。この状況のなかで“ブロック戦をどうやって上っていくのかを自分なりに考える”ということも楽しみながらやっていこうと思います」
3、ここ2〜3か月、普通に練習できるようになっていた
——現役復帰のときに掲げた目標に対して、思ったより遅れている今の状況をどう思いますか?「思ったよりもできていません。もうちょっと早い段階で(次に)いけるかなと思っていたのですが(苦笑)。まず、日々の練習を続けることが難しかった。トリプルアクセルを跳べるようになるまでも、予想した通りにはできませんでした。普通に練習できるようになったのがここ2〜3か月なので、想像よりも遅れているかなと思います」