濃い色味を差し色に、しっとりと
うって変わって、こちらは上品な訪問着の装い。単衣の季節は6月と9月ですが、葡萄唐草という模様ゆえに気分としてはやはり秋に装いたい一枚です。
母は変わり織りの洒落袋を合わせ(上写真)、中間色の優しい雰囲気にまとめていました。それは物静かで控えめな母の印象にとても似合っていましたが、私がそのまま合わせると何だかボヤッとして締まりが無く見えてしまいます。
そこで、私は黒地に笹竜胆(ささりんどう)を織り出した袋帯を合わせ、全体的に凛と若々しい印象に仕上げました。
先ほどの母が合わせていた変わり織りの帯を「娘のセンス」で装うなら、同じく母の白茶色の無地の花織のきものに合わせると互いの良さを引き立てます。帯揚げは栗茶でシックに、朱色の帯締めで華やぎを足し算。黒猫の帯留めでひと匙の遊び心となるワンポイントを!