同じ単衣で季節を帯合わせで着分ける
白の薩摩絣は母のワードローブで見つけた万能の単衣。軽やかで繊細な木綿の風合いが肌に優しく、「間の季節」にぴったりな一枚といえます。
春単衣の場合は、白の分量を多くスッキリとしたコーディネートに。
秋単衣の場合は、濃地にオリエンタルな刺繍を施した名古屋帯できりりと引き締めて。帯締めはシックになじませながら、帯揚げで温かみのあるクリーム色をプラスしました。
ちょっとしたお洒落の匙加減ですが、皆さまの参考になれば幸いです。
これから、いよいよ「芸術の秋」のハイシーズンの始まりです。私が観光大使を務める福島県の二本松市は、今年もビエンナーレの会場となり盛り上がっています。ちなみに、9月15日(土)は、二本松城の箕輪門で舞踏家の田中泯さんによる公演「インカスの伝言」を開催。私もアーティスティックなきものの装いで鑑賞に行きます。皆さまも是非遊びに来てください。
一色采子/Saiko Isshiki
女優
日本画家の故・大山忠作氏の長女として東京都に生まれる。毎日をきもので暮らしたお母様のもとで、コーディネートや着こなしのセンスを磨き、現在はファッションのアイテムを取り入れながら独自のスタイルを楽しむ。趣味の日本舞踊や三味線、長唄では名取になるほど、古典芸能への造詣も深い。現在は、福島県にある二本松市大山忠作美術館の名誉館長や二本松市の観光大使も務める。
【連載】女優 一色采子の「母のタンス、娘のセンス」
撮影/岡積千可 へアメイク・着付け/林さやか 構成・取材・文/樺澤貴子