カルチャー&ホビー

大人検定365 お雑煮とおせちのしきたりを知っていますか?

2018.12.26

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【問題】
お雑煮とおせちのしきたりを知っていますか?


正月の食事は雑煮から始まります。餅そのものは、慶事や特別な日に欠かせない「ハレ」の食べ物で、年越しで年神様にお供えした餅と海山の収穫物を、お下がりとして雑多に煮たのが雑煮のルーツ。

雑煮を食べることは神様と共に食事をする儀式という意味があります。雑煮で正月を祝うようになったのは、室町時代。江戸時代になると、将軍から貧しい人々まで雑煮で祝うようになりました。


中身は、関東では角餅ですまし汁仕立て、関西は丸餅で、近畿を中心に味噌汁仕立て。具は地方色が強く、例えば広島県では牡蠣雑煮、石川県では鰤雑煮など多彩。ハレの日を反映した伝統が今も色濃く残っています。

おせちは「お節供(せっく)」を略したもので、そのルーツは神様に供える料理です。

もともとは元日と五節句(人日の節句、上巳の節句、端午の節句、七夕の節句、重陽の節句)の日に食べるものでしたが、正月が最も重要な節目で今に残りました。

おせちに欠かせない食べ物は、祝い肴3種。関東では黒豆、数の子、田作り(ごまめ)。関西では黒豆、数の子、たたきごぼうを指します。それぞれ、黒豆はまめに働く、数の子は子孫繁栄、田作りは材料の小鰯を田の肥料にしたので豊作を願う意味があります。たたきごぼうは、地中に深く根を張るごぼうが家の基礎を固める意味。

これらの祝い肴に加えて海山の幸で、新しい年を迎える感謝や喜び、祈りなどの心が込められた料理を作ります。

重箱は四段重が正式で、上から一の重に祝い肴3種と口取り(きんとん、かまぼこ、伊達巻きなど)。二の重に焼きもの(小鯛の塩焼き、鰤照り焼き、鶏肉の松風など)。三の重に煮もの(煮しめ、昆布巻きなど)。与(よ)の重には酢のもの(紅白なます、菊花かぶなど)。料理の数は奇数で詰めます。

重箱を使わずに、盆や洋皿を使うのもモダンですね。その場合は、格調のある漆器や清らかさを表す磁器、めでたい赤や金銀を施したり、松竹梅などの吉祥文様の器で。“難を転じる”南天、長寿を表す松の葉などを添えて端正に盛ります。

正月の箸は、神が宿る柳の木で作られた柳箸です。両細(りょうぼそ)といって両側が細くなっているのは、片側を神様のものとし、神と共に食事する意味があります。

【答え】お雑煮にもおせちにも、日本人の暮らしの知恵が集まっています。


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写真/PIXTA 文/森山弥生参考文献:『暮らしのしきたり十二か月』(神宮館編集部)、『祝いの食文化』(松下幸子著・東京美術選書)、『和のおかず決定版』(野洋光著・世界文化社)
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