トレンドの魅力は、なんといっても「時代の雰囲気」を纏えること。そうすることで、感度の高さをアピールしたり、鮮度の高い着こなしができるので、「今っぽくて素敵」な装いに仕上がります。
一方で、時代の雰囲気が必ずしも自分に似合うとは限らないというデメリットも。
流行だからという理由で買った服が、何となくしっくりこなかったり、手持ちの服と全然合わなくて結局ほとんど着ずに手放してしまったという経験をお持ちの方も多いはず。
ここで大事なのは、歳を重ねれば重ねるほど、流行と自分のスタイルは、合致しないことのほうが多いということです。
だから、トレンドのものを買うときには、「皆持っていて、なんとなく素敵に見えそうだから」ではなく、あくまで軸を自分に据えて「私が好きだから、この流行を取りれてもいいな」という意識で選択することが、格好よく見えるコツだと思います。
大人がトレンドものを買ときに気をつけたいこと
例えば、数シーズン前から流行しているバッグの替えベルト。バッグ自体はシンプルなデザインにして、ベルトで変化をつけ「小物を着替える」という新発想は、大人にも嬉しいトレンドですよね。
一方で、ナイロン製のボディバッグを斜め掛けはどうでしょう? 若い子には大流行していますが、同じようなことを大人がやって果たして素敵に見えるでしょうか?
私の答えはNO。 しかし、同じボディバッグでも素材を上質なものにしたり、爆発的に流行っているブランドのものとは違うものを選ぶならOKかもしれませんね。
迷い世代の場合、まずは「私だったらどうする?」と考えることが大事。 トレンドに乗るのではなく、自分のほうへ引き寄せる。トレンドを自分流にアレンジできたら、「おしゃれをきちんと進化させている素敵な女性」に見える、最強のスタイルになると思います。
迷い世代のおしゃれルール:
オトナがトレンドものを買うなら、「人と違う」取り入れ方を「迷い世代の服選び」これまでの記事を読む>> おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
イラスト/大橋美由紀 編集協力/湯澤実和子