金のリムのディナープレートは「レイノー」のサラマンクシリーズ。一番上の石器の小皿は、ジャイプールの大理石店で見つけた。テーブルクロスは、「トミタテキスタイル」で扱っているフランスの「ブラクニエ」のコットン製インテリアファブリックを、テーブルクロスに仕立ててもらった。Tips2
美しいと感じた情景をヒントにして
インドの旅では、タージマハルの壮麗さにうっとりし、ジャイプールの手工芸に心惹かれ、宿泊したタージホテルのインテリアに沢山の学びを得たという多美保さん。その時に美しいと感じたことを、セッティングに取り入れます。
「柄に柄を組み合わせた濃密な世界観は、強く印象に残っています。そして、金色の魅力を改めて知りました。薄暗い光の中で見た金色が、とてもシックでゴージャスに感じられたんです」
多美保さんは、全面に更紗柄が描かれたテーブルクロスを広げ、リムの金色の模様が華やかなディナープレートを置き、さらにもう1枚金色のプレートを重ねました。そして一番上には、螺鈿の花模様が煌めく石器の小皿を。
「金色は、白磁を組み合わせてクラシカルに使うのが一般的ですが、実は上に乗せる器を替えるとインドスタイルにもなるんですよ」
複数の異なる柄を組み合わせてゆくのはセンスとテクニックを要するものですが、多美保さんは赤・ピンク・金とテーマカラーを立ててコーディネートすることで収まりよく調和させています。
テーブルに描き出されたインドの美しい情景に、ゲストから感嘆の声が上がります。
ゾウやトラ、ヤシの木などがプリントされた大柄模様を生かしたファブリックパネル。横長型を2枚連ねて飾ることで、壁にボーダー状の模様が描かれているように見せている。イギリス「ゾファニー」社の厚手のコットン生地を使用し、「トミタテキスタイル」でカスタムメイドした。Tips3
横長のファブリックパネルで部屋全体の趣が変わる
空間を構成する要素の一つである、広い面積を占める壁面によって、インテリアの印象は大きく変わります。
多美保さんは、ファブリックパネルを壁に掛けて、白壁のリビングダイニングの趣をがらりとインドテイストに模様替えしました。
「使用したファブリックは、もともとカーテンなど作るためのインテリアファブリックです。ジャイプールと名づけられた生地を、生地幅いっぱいの横長パネルにしました。壁紙を替えなくても、ファブリックパネルを飾ることで気軽に壁面の表情を変えられます」
注目すべきポイントは、2枚の横長のパネルをあえて隙間を作らずに掛けていること。まるで壁面自体に模様があるかのようなしつらいになりました。
ファブリックパネルは軽量なので、気分によってさっと掛け替えられるというのも利点。アクセントになるのはもちろん、連ねて掛ければまるで壁紙を貼り替えたかのような演出効果が得られるアイディアです。