【問題】
節分(せつぶん)の恵方(えほう)巻きは、いつから始まったの?
冬から春へと変わる節目の日が「立春」、その前日が「節分」です。節分とは季節の分かれ目のこと。本来は立春、立夏(りっか)、立秋(りっしゅう)、立冬(りっとう)それぞれの前日を意味し、年4回あったのですが、現在では立春の前日のみを指します。
おなじみの節分の夜の豆まきは、中国から伝わった「追儺(ついな)」の儀式がルーツの厄払い行事。日本では、平安時代に行われるようになりました。季節の変わり目には、悪い鬼や病魔が横行すると考えられたのです。
大豆を前日に神棚にお供えしておき、当日の夕方までに煎って、鬼が活動し始める夜になったら窓や戸を開け放ち、奥の部屋から玄関へ向かって「鬼は外、福は内」と2回ずつ繰り返しながらまきます。
豆は邪気を祓う力があるとされる穀物であり、鬼(魔)の目を打つので「魔目(まめ)」、また摩滅(まめつ)に通じるとしたもの。豆を煎るのは、豆から芽が出ると再び鬼がやってくるため。
この煎り豆は「福豆」と呼ばれ、食べると体に福を取り入れられるので、自分の年齢より一つ多く食べて一年の無病息災を祈ります(地方によっては、落花生をまく地域も)。
他にも魔除けとして、焼いたイワシの頭をヒイラギの枝に刺し、門や門口に飾るなどがあります。鬼はイワシの悪臭を嫌い、ヒイラギはトゲがあるので鬼を寄せ付けない、ということから。
こうした日本古来の節分の過ごし方に最近加わったのが、「恵方巻き」を食べる風習です。もとは大阪・船場で、商人たちが商売繁盛を願って食べたのが始まりとされますが、詳細は不明です。
恵方(縁起のいい方角)とはその年の福を司る神様のいる方向で、恵方に向かって無言で丸ごと1本食べきると、一年を無病息災で過ごせるというもの。
丸ごと食べるのは、“運を一気にいただく”ためで、途中で止めると運を逃すとか。伝統的な行事と言えるほどではなかったのですが、1998年に大手コンビニエンスストアが、季節商品として「丸かぶり寿司 恵方巻き」と名づけて全国的に売り出し、定着しつつあります。恵方は毎年変わるので、暦などで確認するといいでしょう。
立春は、太陽の運行によって算出されるので定まった日ではなく、年によって異なり、2月4日前後。2019年の立春は2月4日、節分は2月3日です。
【答え】大阪発祥で、1990年代頃から全国的に知られるように。
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写真/PIXTA 文/森山弥生 参考文献:『年中行事を「科学」する』(永田 久著・日本経済新聞社)、国立天文台ホームページ