【問題】お彼岸の中日(ちゅうにち)って、毎年同じ日じゃないの?
3月21日前後に、昼と夜の長さが同じになります。この日が「春分(しゅんぶん)の日」で、これを境に昼夜の長さが逆転し、次第に昼の時間が長くなります。
春分の日の前後3日間を含む計7日間が「春の彼岸(ひがん)」。1日目は「彼岸の入り」、真ん中の春分の日は「彼岸の中日」、最後の日が「彼岸明け」と呼ばれます。彼岸の時期にはお墓参りや、仏壇もきれいにして先祖を供養しますが、これは人間界の煩悩から抜け出してたどり着く彼岸は西にあるので、太陽が真西に沈む春分の日は先祖と通じやすいと考えるのです(秋には「秋の彼岸」がある)。
お寺では「彼岸会(ひがんえ)」が行われます。また春のお彼岸は農耕開始の時期で、豊作を祈り、太陽を祀(まつ)る意味もあります。
春分の日は太陽の位置によって天文学的に決まるので、だいたい3月21日前後と、その年で異なります。今年2019年の「春分の日」は3月21日で、お彼岸は18日~24日まで。ちなみに2018年の春分の日も3月21日でしたが、2017年は3月20日でした。
春分の日は、もともとは「春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」の日でした(秋分の日は秋季皇霊祭の日)。宮中の皇霊殿で、歴代の天皇・皇后、皇親の御霊(みたま)を祭る儀式が行われる日でしたが、1948年(昭和23年)に「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」ことを旨として、国民の祝日に定められました。
春の彼岸に神様に捧げ、先祖にお供えして家族でもいただく「ぼた餅」は、広く日本で見られる行事食。糯米(もちごめ)、またはうるち米と糯米を半々で炊いて半つぶしにし、小豆の粒あん、こしあんなどをまぶすもので、春に咲く牡丹(ぼたん)の花に例えた名前です(秋の彼岸には、萩の花に例えて「おはぎ」と呼ばれる)。きなこ、ごまあんなどをまぶす場合もあります。
そのほか、「彼岸だんご」と呼ばれるあんころ餅や、草餅などを作る地域や、赤飯やおこわなどを用意するところも。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、これからが一年中で一番過ごしやすい気候になります。
【答え】お彼岸の中日は太陽の位置で決まり、その年で違います。
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写真/PIXTA 文/森山弥生 参考文献:『暮らしのしきたり十二か月』(神宮館編集部)、『新・食品事典10 菓子』(河野友美編・真珠書院)、 国立天文台ホームページ