池田明子さんの更年期
「植物療法士としての専門知識と手法を生かして、立ち止まらない人生を」
ハーブティーやアロマで女性ホルモンの働きを補う
池田明子さんの更年期は、フィトセラピー(植物療法)の学校を立ち上げ、普及活動や講座で全国を飛び回る多忙な時期の始まりと重なりました。
外出先で体がカッと熱くなり、講演中に汗が止まらなくなるなどの更年期症状はあったものの、比較的軽くすんだのは、「不調を感じる暇がなかったことと、植物の力のおかげ」と池田さんはいいます。
ハーブや精油(植物から抽出された成分)の中には女性ホルモンに似た作用を持つものがあり、また香りや味でリラックスすると自律神経のバランスが整い、本来のホルモンの働きが活性化するといわれています。
植物のフィトケミカル成分(植物化学成分)には抗酸化作用、抗菌作用、抗ウイルス作用があり、アンチエイジングや病気予防の効果も注目されています。
「生活の中に植物の成分を積極的に取り入れていると、いつのまにかよく眠れ、気持ちも穏やかになり、気になる症状もなくなっている――。植物は私たちの心と体の状態を、無理なく“ちょうどいいところ”に合わせてくれる優しい力を持っているのです」
香りで認知症を予防し運動を楽しんで筋力を保つ
フィトセラピーの普及を目標に、池田さんは全国各地で講座を開くほか、大学で教鞭をとっています。認知症予防にも役立てようと高齢者施設で行っている社会活動もその一環。
「ボランティアで介護する側も介護される側も同じ70代、80代。この歴然とした差はいったい何か。更年期以降の意識と生活習慣の違いなのです」
香りは、感知する脳内神経を通して脳全体を刺激し、記憶力や集中力を高める効果を持つと推測されています。池田さんは朝晩のアロマでご主人の梅沢さんとともに認知症を予防し、ストレッチ、筋トレ、きくち体操、トランポリンなどの運動を楽しみながら行い、筋力アップにも取り組んでいます。
「人生は立ち止まらないほうがいい。目標を定めて、そこに向かって進み続けることが元気の秘訣ではないかしら」