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医療の見直しが始まった今、「賢明な選択」のために患者ができること

2018.10.12

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「未来の医療」第5回

未来の医療 進歩する生命科学や医療技術。わたしたちはどんな医療のある未来を生きるのでしょうか。「未来を創る専門家」から、最新の研究について伺います。前回の記事はこちら>>
受診したとき、医療のことはわからないからと何でも医師にお任せにしていないでしょうか。

ここ数年、世界では、医師も患者も、今、行われている医療がほんとうに必要かどうかを考え直そうという動きが高まっています。

「医療における賢明な選択」を推進するChoosing Wisely Japan 代表の小泉俊三さんに患者にできることを聞きました。


小泉俊三(こいずみ しゅんぞう)さん

未来を創ろうとしている人:
小泉俊三(こいずみ しゅんぞう)さん
七条診療所 所長
Choosing Wisely Japan 代表
日本プライマリ・ケア連合学会 顧問
医療の質・安全学会 理事

当然のように行われてきた医療の見直しが始まった


最近、風邪で受診したら、解熱剤は処方されたけれど、以前出された抗生物質が処方されなかったという経験をしませんでしたか。

風邪はウイルス性のものが多く、細菌を殺す抗生物質は通常は必要ありません(持病のある人やすでに細菌の二次感染を起こしている人には処方されることがあります)。

抗生物質をむやみに使うことで、患者の腸内細菌叢が変化すること、耐性菌を増やすことなどの悪影響が知られています。

厚生労働省でも2017年に抗生物質の使用指針を発表し、風邪などでの抗生物質の過剰な使用を抑えようとしています。

このようにこれまで当たり前のように行われてきた検査や薬の処方、処置などを患者の利益・不利益、経済面を含めた社会的な影響などの観点から見直そうとする機運が世界的に高まっています。

その1つの表れが“Choosing Wisely”(賢明な選択)と呼ばれるキャンペーン(4ページ目参照)です。

米国のChoosing Wiselyでは、「最も高価で常用されているにもかかわらず、患者に有益でないと明らかになっている5つの診療行為」を学会などの医療関連組織が自らリストアップすることで、医師をはじめとする医療者や患者が「賢明な選択」をすることを促しています。

また、医師だけでなく、看護師、薬剤師やその他の医療職、患者や患者団体も巻き込む活動となっています。
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