地味紬の特効薬となる万能帯 その2
私が皆さまにオススメしたい、もう一本の万能帯がこちら。長いこと呉服店で私が探し続けてきたのが、無地感覚で白に近い帯。
無地のタイシルクは、帯留めを引き立てるキャンバスのよう。なかなか気に入る品が見つからず、ある日洋服の生地店に行った時に、生成りのニュアンスが優しいタイシルクに出会いました。「これは帯にいける!」と直感(笑)。早速、2mほどを買い求め、帯に仕立てて頂きました。
これさえあれば、「母のタンス」のどんな地味きものも着こなせると言っても過言ではありません。帯揚げ、帯締め、帯留めの合わせ方で、いくらでも表情を変えることができるまさに万能選手。今回は、細かい絣柄の結城紬に合わせていますが、柄の込み入った小紋などでもスッキリと着こなせます。是非、皆さまにも試して頂きたいアイディアです。
一色采子/Saiko Isshiki
女優
日本画家の故・大山忠作氏の長女として東京都に生まれる。毎日をきもので暮らしたお母様のもとで、コーディネートや着こなしのセンスを磨き、現在はファッションのアイテムを取り入れながら独自のスタイルを楽しむ。趣味の日本舞踊や三味線、長唄では名取になるほど、古典芸能への造詣も深い。現在は、福島県にある二本松市大山忠作美術館の名誉館長や二本松市の観光大使も務める。
【連載】女優 一色采子の「母のタンス、娘のセンス」
撮影/岡積千可 へアメイク・着付け/林さやか 構成・取材/樺澤貴子