【問題】
神社に参詣したとき、神社の中にお寺を見ることがあります。これは何と呼ばれているでしょうか?
日本の神道と外来の仏教が融合調和した「神仏習合」思想に基づき、奈良時代には神社に付属して仏教寺院や仏堂が建てられました。これを「神宮寺」といいます。神宮寺は宮寺、別当寺、神護寺などとも呼ばれます。またお寺の中にある神社の場合は「鎮守社」といいます。
神宮寺には社僧と呼ばれる人が住み、神様の前で経をあげたり、祈祷をしたりしました。また菩薩号を授けられたり、観音像や菩薩像が神社に納められるようになります。そして平安時代には“神は、仏が日本の民を救済するために姿を変えて現れたもの”とする本地垂迹説(ほんちすいじゃくせつ)が起こりました。
その後、鎌倉末期には反本地垂迹説が起こるなどしましたが、江戸時代まで神仏習合は続きます。明治初年(1868)に神道か仏教かの区別をする「神仏判然令」が発せられた結果、全国で廃仏毀釈が起こり、多くの神宮寺が廃寺となりました。「神宮寺」の存在に、日本と宗教の歴史を垣間見ることができるのです。
【答え】神宮寺です。
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写真/PIXTA 取材協力/神社本庁 文/磯 由利子