ソース・リヨネーズ
玉ねぎの特産地、フランス・リヨン地方の名のついたソース。味の要はくたくたに茶色くなるまで炒めた玉ねぎです。玉ねぎは火を通すと甘くなりますが、効果的に甘味を出すた めに通常は水を加えます。このソースでは水の役割を白ワインが果たします。工程は、玉ねぎの甘味を出しつつ白ワインの酸味を飛ばすようただひたすら炒めること。より濃厚な甘味と旨みが溢れて深みが出ます。鍋肌の焦げは旨みですから、しっかりとこそげ取ってソースに戻してください。
【材料 作りやすい分量】
・玉ねぎ 3個(450g)
・にんにく 30g
・バター(食塩不使用) 40g
・白ワイン 750cc
・
牛のブイヨン 1リットル
【作り方】
1:玉ねぎは薄切りにする。にんにくは半分に切る。
2:鍋にバター、1を入れて中火にかけ、焦げつかないように混ぜながら炒める。
3:鍋まわりが薄茶色になり、水分がなくなったら、白ワイン100ccほどを加える。
薄茶色の部分をこそげ取りながら混ぜる。同様に、水分がなくなったら白ワインを加えて炒めることを繰り返す。鍋肌の焦げはその都度こそげ落とし、旨みを玉ねぎに戻す。
4:玉ねぎがトロトロの濃い茶色になったら、ブイヨンを加えて強火にする。
沸騰したら弱火にし、アクが出たら取る。半量くらいになったらシノワで漉す。レードルなどを押しつけて、絞り出すようにする。ソースは冷蔵庫で1週間、冷凍庫で1か月保存可能。使用する際は火を入れる。
フランス料理の真髄はソースにあり。ソースは料理のおいしさや存在感を深め、無限の可能性を秘めるもの。 『ル・マンジュ・トゥー 谷昇シェフの ビストロ流おいしいソース・レシピ』では、フレンチの賢人がソースの極意を徹底コーチ。クラシックからシェフオリジナルまで、32のソースと69皿のメニューを収録。伝統的なフランス料理からビストロメニュー、家庭料理、オリジナルの一皿まで、多様で美味しいソース使いを学ぶことができます。
谷 昇(著)
定価:本体1,600円+税
撮影/原 務