1日1本のバナナがセロトニンの生成に役立つ
セロトニンの材料は必須アミノ酸の「トリプトファン」。豆腐、納豆、味噌などの大豆製品やチーズ、ヨーグルトをはじめとした乳製品などに含まれます。
さらに炭水化物とビタミンB6も併せて必要。これらがバランスよく含まれるのがバナナで、私も毎日1本は食べています。
動物性たんぱく質にもトリプトファンが多く含まれますが、脳内関門を通りにくく、あまりおすすめできません。もちろん食材だけでなく、3つの条件もお忘れなく。
認知症の母が一瞬覚醒、「生きててよかった」と
女性は更年期を迎えるとエストロゲンが枯渇していくために、セロトニンの生成も減少して、脳内のセロトニンレベルを低下させます。
ところが前述の、セロトニンを活性化する生活習慣を続けると、女性ホルモンの減少によるマイナス効果を補えることがわかりました。
毎日10分ほど太陽を浴び、リズム性の運動やおしゃべりを楽しみながら、更年期を過ぎても人生を謳歌している女性は大勢います。
周囲を見ても、脳内のセロトニンが生き生きと活性している人は若々しく、“共感脳”が鍛えられるので、人の気持ちがよく理解でき、直感力も優れています。
そういうかたがたはオキシトシンの分泌も盛んで、ストレスもたまらず、人々とのきずなを大切にしながら愛情豊かな人生を歩んでいることがうかがえます。
私の経験をお話しすると、あるとき認知症が進んで言葉の発露も困難だった高齢の母の背中をトントンと叩いていたら、「ああ生きててよかった」という声を発しました。
10分ほどの背中への軽いタッピングによってオキシトシンが分泌され、脳内の心地よさを生む部位を刺激し、思いがけず、衰えた言語中枢が一瞬回復したのでしょう。
医療現場でも“手当て”の効果は昔から知られています。人は医師との温かな触れ合いや言葉かけによって癒やされるもの。古くからの手技療法も科学的にきちんと説明できる時代が来たのです。