可愛く見せる術を知っている野村さんはずるい!?
監督と並んで栞子を作っていく重要な要素である共演者。中でも、共演シーンが多かったのが大輔役の野村周平さん。黒木さんは、野村さんを「すごく空気が読めるというか、気が遣える方だなと思いました」。そんな野村さんが演じる大輔を、三島監督は「可愛く撮りたかったらしくて。たとえば、本の上から目だけ出してこっちを見ているときに、子犬みたいな目をしてって言ったり。でも、野村さんもわかっていて、可愛く見せる仕草をちゃんとしているんですよね。ずるいなと思って見てました(笑)」。
栞子の役作りは、衣装やメイクのほか、「すごく雰囲気のある古書店に仕上げてくださった、美術さんの力にも助けられました」。もともと読書が好きだという黒木さんだけに、夏目漱石らの全集などが揃うビブリア古書堂のセットには読書欲を刺激され、休憩時間にはそこに並ぶ本を読んだりもしていたとか。なんでも黒木さんは、「台本を読んでいて疲れたら、台本以外の本に逃げたりしています(笑)」。リセットされて、新たな気持ちでまた台本と向き合えるのだそうです。
栞子と大輔が車で出かけるシーンが「2人の関係性が平行線だったところからどんどん交わっていく感じで」好きだという黒木さん。