NHK連続テレビ小説『あさが来た』(2016年)の亀助役で注目を集め、亀助を主役にしたスピンオフ作品もつくられた。NHK Eテレ『みいつけた!』では“いす”の声優も務める。――今回の演出を手がけるのは、三宅さんとパンクコントバンド「グループ魂」でも一緒の宮藤官九郎さん。「なるべく原作のまんまやる」と話されているとか。
「それが正解じゃないですかね。なにせキャスティングがトリッキーなので(笑)。変に変えずにそのまんまやったほうが面白いと思うし、リアリティが増すじゃないですか。“なんでこの人が相手なの!?”って、周りの人がジュリエットを止めることに(笑)。宮藤くんが週刊誌の連載に、“おお、ロミオ。どうしてあなたはロミオなの?”というジュリエットの台詞が、お客さんには“おお、ロミオ、なんでお前がロミオなの?”って思えるんじゃないか、というようなことを書いていたんですけど、まさにそのとおりだと思います(笑)」
――ご自身としては、どんなところが一番楽しみでしょう?
「何だろうなあ……今回“初めて”が多いので、みんなで挑戦するというのは、ひとつ楽しみなところですね。ジュリエット役の森川(葵)さんはこれが初舞台だし、宮藤くんも人が書いた脚本を演出するのは初めてだそうなんです。僕もシェイクスピア劇は初めてだし、というか、そもそも恋愛モノをちゃんとやったことがないので、未知の世界。どういうふうになるんだろう? いつもそうしてるように、頭であれこれ考えずに臨もうとは思ってますけど、まあ、照れ臭いでしょうね(笑)」
――三宅さんは、ロミオのような一目惚れをするほうですか? しないほうですか?
「一目惚れは……あまりしないと思います。ただ、宮藤くんが詞を書いたグループ魂の石鹸(三宅さんが務めるドラマーの名前)のテーマ曲には、恋愛体質だというくだりがあって、そう言われればそうかもしれないなあと(笑)。全然自覚はないし、もちろん意識して恋愛をしてきたわけでもないんですけど、その度合は他の人よりは高いかもしれないですね(笑)」
――NHK Eテレ『みいつけた!』の体操のおじさん“みやけマン”として、子供達にも人気の三宅さん。映像作品を含め、活躍の場も役の幅も広がっていますね。
「ありがたいです。この間、街で中学生くらいの子に“みやけマンですよね?”って声をかけられたんです。そうか、9年やらせてもらっていると、子供達もこんなに大きくなるんだなあと思って。舞台にしても、ナイロン100℃(三宅さんが所属する劇団)の公演はもちろん、劇団☆新感線に呼んでもらったり、宮藤くんの作品に呼んでもらったり、僕が執事をやるシリーズがあったり……色々やらせてもらえている幸せを感じますね。若い頃からずっとやりたかったバンド活動も、グループ魂でさせてもらってますし」