祝30周年！ 松尾スズキさん率いる人気劇団が記念イベントを開催

2019年2月～3月には、岩井秀人さん作・演出の音楽劇『世界は一人(仮)』に松たか子さん、瑛太さんらと出演予定。「岩井さんにどこまで歌わされるんだろう。怖いなあ(苦笑)」

――ご自身の「書く」ことへのモチベーションは、30年の間に変化していますか？

「コラムに関しては、昔みたいにギャグを書き散らすようなことへの興味はなくなってきてますね。ギャグは古びていくから、文庫になってる昔書いたものとか見ると気恥ずかしくて。そうじゃないことを書いているもののほうが、ちゃんと読める。小説は今年2本書いたんですが、やっぱり楽しいなと思いました。自分の責任で最後まで終えられる世界を持っているというのは、精神的に健康だなと。大きな演劇とか映画をやる時は、関わる人達みんなの生活もかかってくるからストレスも大きいし、終わった後はどっと疲れます」

――自分の創作欲、表現欲の根っこにあるのは、世の中に対する一種のルサンチマンだったと以前話されていましたが、今の創作欲の源は何ですか？

「ルサンチマン的な感情は今もあるし、自由でありたいというところは変わってないと思いますね。昔は怒りというものがもっとライトにわかりやすく出ていたんだけれども、今は体の奥深くに潜り込んでいて、間接的な表現で出ている気がします」

――今後の展望を教えてください。

「何しろ時間がないので、今まで以上にしっかりやりたいなとは思ってます。55歳ともなれば、人生のタイムリミット的なものが何となく見えてくるし、もう以前のようなペースでは書けない。1本1本しっかりやっていかないと。若い時は、それこそ書き飛ばして、新作の芝居を年に4本くらいやってましたからね。質より量みたいなところもあったかもしれない。とにかく回転数を上げて、知名度を上げたかった。劇団の俳優がみんな素人だったから、場数を踏ませたいという気持ちもあったし」

――それが今では、看板俳優の阿部サダヲさん、宮藤官九郎さんを筆頭に、皆さん大活躍ですね。

「場数踏みまくりですよ(笑)。まあ、自分に関して言えば、知名度は今くらいがちょうどいいと思っているので、知名度は現状維持しつつ、本がもっと売れたらいいなと思ってます。次は短編集を出したいと思っていて、ちょこちょこ書き溜めているんです。そんな50代男の赤裸々な日々を綴ったメルマガの購読も、ぜひよろしくお願いします(笑)」