太ったことを隠すのではなく
今の自分がキレイに見える服を探して例えば小さくてぽっちゃりしている人が、体の線を隠すために、だぼっとしたチュニックにレギンスをはくのはどうでしょう? これでは、隠すどころか、よけいにだらしなく見えてしまいますね。
小さくてぽっちゃり、可愛いじゃないですか。それを最大限に生かすように、物の見方を変えてみてはどうでしょう。
トップスに、柄を持ってきたり色を効かせたりしてインパクトを出したり、小物をポイントにしてメリハリを出すだけで、見え方は変わります。太めの人は、淡いぼやけた色よりも、強い色を着た方が綺麗に見えますよ。
また、小さいからと言って、厚底の靴を履くのも「抵抗している感」が見え隠れして見苦しいもの。背丈を気にせず、バレエシューズを履いて颯爽と歩く方が、周囲からは何倍も美しく見えます。
迷い世代のおしゃれルール:今の自分を隠そうとしたおしゃれで、キレイには見えません。自分が記憶している過去の自分にとらわれず、まずは今を認め、それを生かす服にシフトすることから始めましょう。
どうしても痩せて見せたいなら
とにかく努力あるのみそれでも、「痩せて見える」ということにこだわるなら、本当に痩せる努力をするしかありません。厳しいようですが、「太っているけど努力はしたくないから洋服でごまかしたい」という意識は、そこはかとなく透けて見えてしまうものです。
確かに、ある程度細身のほうが美しく映える洋服があるのは事実。迷い世代でも若い頃と変わらない体型を保っている人は、陰で何らかの努力をしていると断言できます。
洋服を着るために、体型は最も重要な要素ですから、体型を考えることは、自分自身がおしゃれとどう向き合うのかということにも繋がります。どう見せたいのか、どんな女性像を目指すのか……その場しのぎのごまかしではなく、根本から問い直すのが大事です。
迷い世代は、そのターニングポイントになる時期なので、きちんと「今の自分」と向き合ってほしいと思います。
おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
イラスト/大橋美由紀 編集協力/湯澤実和子