主体性を引き出すためにカウンセリングを導入する
「減量に失敗する人が多いのは強制的にダイエットをさせられているからです。本人が主体的に取り組まないかぎり減量は成功しません」と木村先生は指摘します。
実は、同外来では開設当初、一般的な減量指導を行っていましたが、思ったような成果が出ませんでした。
「原因を探る中で、心理学の専門家から、主体性を引き出すためには患者さんの考え方を変えることが必要だといわれたのです。そこで、認知行動療法をベースにした減量法を独自に考案し、臨床心理士によるカウンセリングを取り入れました」
認知行動療法を基盤にしたサポートで減量への考え方や生活習慣を再構築
木村先生によると、初診患者を診察すると、その8割に認知の歪みがあるといいます。すなわち“自分は食べていないのに太ってしまう”といった事実とは異なる認識をしているのです。
「これはリバウンドの悪影響によるもので、リバウンドを繰り返すとやる気を失うだけでなく、太っている自分を正当化するために、このような根拠のない思い込みをするようになります」。
そこで同外来では、臨床心理士によるカウンセリングを通して患者に認知の歪みがあることに気づいてもらい、減量に対する考え方を変えられるよう促していきます。
「つまり、太りやすい行動をとるのはなぜか。根本にある考え方を掘り下げ、そのように考える習癖を修正しながら、心身ともに無理なく取り組め、なおかつ継続できる減量法を一緒に見つけていくのです」