慣れない人間関係と生活リズム。希望や思いを伝えて不安を解消
入院中は初対面の医療スタッフと急に濃密な関係にならざるを得ず、慣れないうちは人間関係の距離感に戸惑うこともあるでしょう。
また、食事や消灯など1日の基本的な生活リズムは当然のことながら病院主導。医療者は、危険回避のために入院患者を必要以上に“動かさない”方向で物事を運ばせようと考えがちです。たとえば排泄も、おむつやベッドサイドの簡易トイレですませる方向に進みやすいのです。
「必ずしもすべて病院の指示に従うことはありません。歩ける状態であれば、できればトイレで用を足したいので付き添っていただけないでしょうか、などと希望を伝えると、病院側も患者さんを尊重して対応を考えてくれる場合が少なくありません」
入院が2週間を過ぎると、診療報酬が下がるという医療制度上の理由から、転院を要請されることがあります。長期入院が見込まれるときはその可能性があるか否かを早めに確かめ、転院先を探すなどの準備をしておくとその場で慌てずにすみます。
また、救急車で運ばれた見知らぬ病院で入院が始まった場合、途中でなじみの病院への転院を希望することに躊躇する必要はありません。「自分の病歴を把握している病院なので」など正当な理由であれば、心理的抵抗もなく受け止めてくれるはずです。