滑って踊れるイェール大学生、ネイサン・チェン選手。今季も見せてくれそうな予感!
世界最高峰の大学の1つ、イェール大学で、統計学と医学を学びながらスケートと両立させる決意をしたネイサン。大学があるコネチカットで1人、トレーニングを積むことになります。怪我なく、夢を追い続けることができますように! 写真/USA TODAY Sports/ロイター/アフロネイサン・チェン選手
FS「Land of All by Woodkid」189.99点 スケートアメリカ
日本時間の10月20日~22日に行われたスケートアメリカ。
今大会で気になっていたのはネイサン・チェン選手がどこまで調子を上げて来られるか、という点でした。Japan Openに北米チームの一員として登場してくれたネイサンでしたが、風邪気味だったせいか、ほとんどのジャンプでミスがあり、男性選手6人中まさかの4位。
この秋から名門中の名門、イェール大学に入学したことにより、環境が激変してまだ間もないため、いくら身体能力の高いネイサンとは言え、今季の新プログラムを体に染み込ませるためには、ゆるゆる調整をして行くしかないのではと思っていたのですが。
Japan Open後のたった2週間で、あっという間にトップギアに入れ直していました。SP(ショートプログラム)もさることながら、圧巻だったのはFS「Land of All」。ジャンプの精度はもちろんですが、2週間前とは感情表現まで別人のように深く緩急のついたしなやかな演技になっていて、ネイサンが誘う奥行きのある世界にしばし引き込まれました。
ノリよく後押ししてくれるタイプの曲ではないので、ある意味、挑戦的なプログラムを選択していると思いますが、小さい頃からバレエなどを習っていたからか、音をつかむのが本当にうまいスケーターだと感じます。
後半に組み込んでいる4回転トーループ-3回転トーループ、4回転トーループ-2回転トーループ-2回転ループも、疲れを感じさせない美しい流れで着氷していました。
結果、2位に40点以上の差をつけて圧勝。今後もっと滑り込んだら、どれほどの完成度に仕上がるのでしょう。今シーズンのネイサンからも目が離せません。