注目のジャパン・デザイン(2)
首藤 治さん
首藤 治(しゅどう・おさむ)ジュエリー職人としてスタートし最高峰のクラフトマンに。後に自身のデザインでジュエリー製作を開始、十数年で国内屈指のデザイナーとなる。2015年、黄綬褒章受章。現代の名工が紡ぐデザインの妙
工房「ジュエリークラフトシュドウ」の作品は、そのほとんどが動植物や道具といった具象をデザインした、技術の粋を極めた繊細なものです。
重さや無骨さを感じさせるものはひとつもなく、不必要なものをすべてそぎ落とし、美しい部分だけを残した軽やかな作品が目立ちます。
長く名古屋で活動していたため、東京、大阪で知られることが少なかったのですが、今や全国区の作家に。職人としてもデザイナーとしても多くの弟子を育てているのも特筆すべき点です。
樹々の中に遊ぶ鳥や小動物を描いたブローチ。木の葉の部分は、プリカジュールと呼ばれる透明なエナメルが輝きます。ダイヤモンドの朝露が滴り、鳥がくわえるコンク真珠は、トレンブランという技術で揺れ動く作り。驚くほどの繊細さは必見です。936万円/ジュエリークラフトシュドウ四角くカボションにカットされたオパールが大胆なリングは、ヴィンテージのような趣。台座には、多数の飾り爪で枠留めされたダイヤモンドがちりばめられて。312万円/ジュエリークラフトシュドウ