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40代、仕事を辞めて家族でフランスに移住しちゃいました!

2018.11.20

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意外となんとかなる!? 40代のフランス移住

ファッションライターとして『家庭画報』をはじめ、大人の女性に向けた雑誌で活動してきた河島裕子、改め、ルロワ河島裕子が、夫の故郷であるフランスに家族3人で移住することを決意。幾多のハプニングに見舞われながらも、2018年9月中旬に無事渡仏。40歳を超えての移住、フランス北部の田舎での暮らし、そして時折ときめきを求めて訪れるパリで出会った素敵なものをリポートしていきます。バックナンバー>>>

第1回 思い立ったが吉日! 40代のフランス移住生活



まずは行ってしまえ!の直感型移住


「フランスへ移住することにしました」──数か月前、そう周囲に伝える私に寄せられたのは「素敵!」、「おめでとう!」という言葉以上に、「仕事どうするの?」、「40代で移住なんて、よく決意したね」、「言葉は大丈夫?」といった心配の声の数々。よく言えば度胸がある、悪く言えば無鉄砲ゆえの大胆さで、周囲をざわつかせていたのでした。

皆様のご心配はごもっとも。

しかし、この移住計画、実は3年以上前から夫婦間で話し合いを重ね、フランス式の教育のほうが息子の性格に合っているのでは?という2人の意見から、小学校入学を前にようやく、日本での快適な生活を手放す決心をしたのです。

と同時に、異国で暮らしたい!という幼い頃からの想いと好奇心がうずいていたのも事実。
42歳の今こそ、人生の大勝負の最後のタイミングだ!と言い聞かせ、深く考えることなく私の心は一気にフランス移住へとまっしぐらに駆けて行ったのでした。

移住最初の難関「引っ越し」に立ち向かう


移住(夫にとっては帰国)を決めた私たちが、まず気になったのが「引っ越し」。海外への引っ越しは金額が桁違いと聞いていたので、自力で海外移住を成し遂げたフリーランスの友人たちにアドバイスを請うことに。

その多くは荷物を極限にまで減らして、できる限り手荷物として飛行機で運び、残りを船便で送るというもの。中でも私に衝撃を与えたのは、かのフリマサイト「メルカリ」でほぼすべての家財道具を売りさばき、引っ越し代、さらには現地で上等な家具を購入するお金まで捻出したというツワモノの友人の武勇伝でした。

早速、私は「メルカリ」、加えて「フリマ」、「ジモティー」の3つのサイトを駆使してあらゆるものを売り、最後の3か月は毎日のように発送作業に追われる日々(これ中々大変です)。ついに夢のまた夢と思われた友人の達成額を超え、引っ越し代と航空券代を賄うほどの金額を叩き出すことができたのです。

海外移住は究極の断捨離活動


ちなみに私の売れ筋は、アンティーク雑貨、アートブック、そして足に合わずほとんど履かずじまいだったトップメゾンの靴の数々。驚くことに10年前の靴でも、定番ものなら出品後5秒で売れたことも。

また、かつてフランスで買い求めたアンティークは、購入金額の倍の値段で売れてしまったものもあるほど。断捨離目的ながら中々の利益を上げていたことから、友人たちからも“古物商”、“メルカリ伝道師”などの称号を賜るまでになっていました。

何より大きな収穫だったのは、無駄にすることなくものを減らすことができたこと。本当に必要なものは何かを真剣に考えて、残すか売るか一瞬でも迷ったものは潔く売り、究極に厳選できたことは、大袈裟なようですが、自分を見つめ直す契機にもなったのです。

ハプニングもまた人生の糧


しかし、いいことばかりでもなく、配送中に商品が割れてしまったこと(これはしっかり保証されました)や、引っ越し当日に冷蔵庫を引き取りに来る約束をしていた人から前日にドタキャンされたこと(これは呪いをかけたいほど本気で焦りました)、引き取りに来た方がご自身で車に載せる際に商品を落とし破損してしまったこと(これにはただただ唖然)など、幾多の冷や汗もののハプニングも起こりましたが、それも今ではよい経験に。


木に囲まれた夫の実家に到着。家の周りには明かりがないため、夜になると満天の星が。

そしていざ出国!


出国直前まで仕事を詰め込んでいた私(ここにも詰めの甘さが)は、区役所やら銀行の手続きの諸々、そしてありがたいことに連日のように催していただいた送別会に追われ、睡眠時間を削って日々の業務をこなす日々。無事飛行機のシートに腰を下ろした時には、日本を離れることを悲しむ心の余裕もなく、無事飛び立てたことに安堵するばかりでした。
そうしてシャルル・ド・ゴール空港に降り立った私と息子を、一足早く現地に入り生活のための諸々を整えていた夫が迎えに来てくれ、人口約600人というフランス北部の小さな村にある夫の実家へと辿り着き、ここを新居とする移住生活がスタートしたのでした。


義母が4年前に植えたぶどうの蔓が、今では家の外壁を覆うほど成長し、今年はたくさんのぶどうが収穫できました。

移民たるもの、まずは住む地を愛すべし


さて、私たちが住むピカルディという地域は、悲しいことにフランス人の間ではいまいちパッとしない印象があるようです。

が、しかし!パリがあるイルドフランスのすぐ北にあり、優美なお城とお馬さんで有名なシャンティイ、中世の面影を残す石造りの街サンリス、おとぎ話のように美しいバラの街ジェルブロワ、マクロン大統領を生んだ北のヴェネチア・アミアンなどなど、素晴らしいところがたくさん! と、早速地元意識を発揮し、いいとこ探し中です。

かといって東京育ちの生粋のシティガールの私は、時に大都会の空気とエネルギーを補給しないと酸欠状態に……。ということで、次回は生来のミーハー心をフル回転して訪れたパリの注目の食スポットをリポートします!


先日天気のいい日に訪れた我が家から40分ほどのジェルブロワは、画家アンリ・ル・シダネルゆかりの、幾度も映画の舞台となったという素敵な街。

 

ルロワ 河島 裕子 / Hiroko Kawashima Leroy

フリーライター
アパレル商社勤務の後、フリーのファッションライターに。『家庭画報』をはじめ大人の女性に向けた雑誌で、ファッションやジュエリー、時計を中心に幅広く執筆。強烈な個性を持つフランス人の夫と息子の3人家族。2018年9月より、拠点をパリから1時間ほどのフランス北部の田舎に移し、大自然の中でのんびり生活をスタート。移住直前に猛勉強した金継ぎと蒔絵を、フランスの地で実践中。夢は、家族とともにワインの聖地ブルゴーニュで、B&Bを営むこと。
●フランス移住こぼれ話●
ご存じの方もいるかと思いますが、フランスでは夜中にトイレを流さない、というマナーがあります。 そう、夜中にトイレに行く人が多いほど溜まり放題という、未経験の日本人にはギョッと思えるこの習慣は、水を流す音で寝ている人を起こさない配慮ゆえのこと。これはパリの友人宅などでも経験済みだったのですが、日本人の私は未だ順応できず……。 寝る直前にトイレに行き、下腹部に人知れぬ緊張感を抱きながら、朝まで意地でも我慢する試練の日々が続いています。しかし、出産を経験した40代、近頃、膀胱が以前ほどの辛抱強さを発揮してくれていない気が……。近い将来、この習慣に屈する日が来るかもしれません。
写真・文・イラスト/ルロワ 河島 裕子
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