疑いたくない。生きて元気で、もう大丈夫なんだって信じたい
悠子役を演じるにあたり、野尻監督からは特にリクエストはなく、逆に「どうなりますか?」と聞かれたそう。でも、原さんも「日常のシーンはともかくとして、息子を発見するところとか、死んだということを改めて知ったときに自分の悲しみがどうなるのか、ちょっとわからなかった」と言い、だから「わかりません、やってみますっていう感じで演じさせていただきました」。そしてさらに、悠子が浩一(加瀬 亮)はアルゼンチンにいると聞かされたあと、真実を知るまでのシーンは、それが事実だと思って演じていたといいます。
「信じてますから、生きてるって。希望が持てるほうを信じようとするんですよ。自分にとって幸せなほうを。悪いほうは忘れたいって、そういうふうに感情が動くのも理解できるし、無理のある嘘も信じちゃう。ホントだったらもっと疑ってもいいんだけど、疑いたくないんですよね。生きて元気で、もう大丈夫なんだって思いたい。そういう気持ちも理解できます。母親って、そうかもしれないなって。私は素直に、余計なことを考えないで悠子が信じていることを、それが事実だと思って演じればいいんだなと思っていました」
悠子にとって、長女・富美(木竜麻生)が「支え。母って、旦那のためには頑張れないけど、子供のためには頑張れるのよね(笑)」。