【特集】あの最高峰時計はなぜ愛されるのか? 家庭画報.comが最高峰時計ブランドの“愛される理由”を徹底分析。各ブランドから、歴史や性能を楽しめる「入門時計」、私のスタイルにフィットする「定番時計」、いつかは欲しい「夢時計」の3本をご紹介します。
特集トップはこちら>> 「ブルガリ」時計の誕生
ブルガリは、ギリシャ系イタリア人のソティリオ・ブルガリが1884年にイタリアのローマで創業したジュエリーメーカー。古代ローマ文化やギリシャ建築様式をデザインに取り入れたジュエリーは、当時のパリ中心の宝飾文化において独自の地位を築きました。
ローマ・コンドッティ通りにあるブルガリ本店ブティック。通りの向こうにはスペイン広場が見えるロケーションです。ローマ帝国のアンティークコインをあしらった「モネーテ」、古代ギリシャやローマ神話の蛇をモチーフにした「セルペンティ」、イタリアらしい豊かな色彩感覚から生まれた「カラートレジャー」など、オリジナリティ溢れるハイジュエリーや高級時計のコレクションを次々に発表しています。ほかにもレザーグッズ、香水などを手がけ、2004年にはミラノにブルガリ ホテル&リゾーツをオープンし、ブルガリの世界観やライフスタイルを発信。2011年に、長年続いた創業家のファミリー経営から、LVMHグループの一員になりました。
女性用腕時計の歴史も古く、1918年にブルガリ初のレディスウォッチが誕生し、今年で100周年を迎えました。1975年にはアイコンウォッチとなる「ブルガリ・ブルガリ」を発表。古代ローマのコインや荘厳な円柱に着想を得たデザインが特徴的なこの時計は、広告を出さなかったのにもかかわらず、口コミで多くの顧客がローマ本店に足を運んだというエピソードがあるほど、世界中で大ブームに。
1918年に初めて作られたレディスのジュエリーウォッチには、プラチナ製ダイヤモンドがセッティングされています。 世界の高級機械式時計をリード
近年では「セルペンティ」と「ルチェア」の2大コレクションが人気です。ウォッチメイキングに関しては、ブルガリのスイスの工房で最高品質のムーブメントを製作。2018年のバーゼルで世界最薄の自動巻きトゥールビヨンムーブメントを発表するなど、高級機械式時計の分野もリードする存在です。
レディスウォッチ誕生100周年を記念して「ディーヴァ フィニッシマ ミニッツリピーター」が誕生。漆に金を施したラッカー仕上げのダイヤルが美しいモデルです。世界最薄のミニッツリピータームーブメントも搭載。世界限定10本 ブルガリ・グループCEOのジャン・クリストフ・ババン氏は、ローマの文化保護活動を積極的に推進。2016年にはブルガリの寄付により、カラカラ浴場の多色色彩モザイクの修復作業が完成しました。「ディーヴァ ドリーム」ジュエリーコレクションの扇モチーフは、カラカラ浴場のモザイクのシェイプからインスピレーションを受けています。 表示価格はすべて税別です。 撮影/サトウアサ 取材・文/磯 由利子