【特集】あの最高峰時計はなぜ愛されるのか? 家庭画報.comが最高峰時計ブランドの“愛される理由”を徹底分析。各ブランドから、歴史や性能を楽しめる「入門時計」、私のスタイルにフィットする「定番時計」、いつかは欲しい「夢時計」の3本をご紹介します。
特集トップはこちら>> 「ショパール」とは――
ショパールの歴史は、時計職人だったルイ・ユリス・ショパールが、1860年にスイス・ジュラ地方に懐中時計とクロノメーターを専門とする時計製造工房をスタートしたところから始まります。ルイの時計は、たちまち愛好家から高い評価を受け、ロシア皇帝ニコライ2世をはじめとする著名な顧客を獲得しました。
その後、1963年にドイツで宝飾品と時計を代々製造していたカール・ショイフレ社がショパールを継承。カール・ショイフレ夫妻の溢れる情熱により、ショパールは高級時計とジュエリーのトップメゾンとしてワールドワイドな発展を遂げます。
エポックメイキングとなった時計が、1976年に誕生した「ハッピーダイヤモンド」。文字盤の周りをダイヤモンドがくるくると自由に動き煌めく時計は、瞬く間に人気を博し、ショパールのアイコンウォッチに。その10年後には、このコレクションからヒントを得て、カールの娘キャロラインがデザインした「ハッピークラウン」でジュエリー分野に進出を果たします。
ショパール共同社長、アーティスティック・ディレクターを務めるキャロライン・ショイフレ。時計のレディスコレクション、ジュエリー部門、ハイジュエリー部門を統括しています。ジュエリーはもちろん、カンヌ国際映画祭のパルム・ドールトロフィーのデザインも彼女が担当しています。 1998年からショパールはカンヌ国際映画祭のパルム・ドールトロフィーを手がけ、オフィシャルパートナーとなりました。 カンヌ国際映画祭のレッドカーペットに登場する女優たちのハイジュエリーも製作。写真は女優のダイアン・クルーガー。2001年にはカンヌ国際映画祭でショパール・トロフィー賞を創設し、今後の活躍が期待される次世代の男優と女優に授けています。家族経営でブランドを次世代へ継承
ショパールは、現存のウォッチ&ジュエリーでは数少ない家族経営を貫いており、1980年代からはカールとカリンの子供たちである、キャロラインとカール・フリードリッヒが経営に携わっています。スイスの自社工房で製作しているグランドコンプリケーション、メディエダール、ダイヤモンドウォッチなどの高級機械式時計にも力を入れており、スイスメイドの技術の伝統とプライドを次の世代へ継承していきたいと考えています。
2018年7月、「100%エシカルゴールド」を宣言。ショパールの定義する「エシカルゴールド」とは、労働環境や環境保護を遵守している採掘場から、明確な流通経路でゴールドを適正価格で購入して使用すること。このことにより、持続可能な方法で採掘者の労働条件や暮らしをバックアップすることができます。一流のジュエラーとして、社会的責任を果たすことを何よりも大切にしています。 表示価格はすべて税別です。 撮影/サトウアサ 取材・文/磯 由利子