和モダンの空間にあふれる、音楽、アート、そしてワイン。 JR松本駅から車で20分ほど。どこかメタリックな印象のエントランスを抜けて館内に一歩入ると、天井高13メートルという吹き抜けのドームがゲストを迎えてくれます。モダンながら優しく、居心地の良さを覚える「界 松本」は、建築家・羽深隆雄氏が手がけた一軒。豊饒的で和モダンなデザインを得意とする氏らしく、雲母(きら)刷りの唐紙や青海波(せいがいは)模様浮かぶ土壁などが大胆に配されています。 どこか教会をイメージさせるエントランスロビー。朝と昼と夜のそれぞれに、サイドの窓から入る光がロビーの印象をがらりと変えます。
また、毎年8月、9月に「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」が開催されることに因み、「音楽」もこの宿の大切なキーワード。スペシャルルームの「ご当地部屋」には、地元の工房で作られた特製スピーカーやフルートをモチーフにした額も飾られ、リピーターを中心に人気を呼んでいます。アフターディナーともなれば、ロビーはライブ会場に変身。毎夜開かれる「ロビー・コンサート」は、クラシックやジャズの生演奏の豊かな音色に、耳を傾けるお客さまで賑わいます。 [embed]https://youtu.be/1Cz3Trw4xok[/embed]
次の間付きの「ご当地部屋」。諏訪在住・アンダンテ工房のスピーカーやライト、松本・カンクラフトの家具など信州生まれのインテリアも。
全26室中、15室には部屋付の露天風呂も。「入浴指南」を復習するいい機会ですね。
もちろん、日本ワインのふるさと・桔梗ヶ原がお隣に控えるだけに、NAGANO WINE(ナガノワイン)について知る機会も設けられています。 「桔梗ヶ原のメルロー」3種をテイスティングしながら、その地の風土や歴史などを学べる「NAGANO WINE紀行」も見逃すことはできません。 「NAGANO WINE紀行」では、宿のスタッフが自ら取材した各ワイナリーのインタビュービデオも上映(1名1000円、予約制)。
8種の温泉も全部入ってみたいし、ワインのお話もコンサートも聴きたいし、お部屋でゆっくりもしたい。15時のチェックインから12時のチェックアウトまでフルに滞在して、「界 松本」を余すところなく楽しんでしまいましょう! ★「界 松本」おすすめ味土産フルーツ処・信州らしいオリジナル温泉饅頭「林檎のほっぺ」。湧き水で仕込んだ白餡に煮込んだリンゴの優しい味わいは、どなたからも喜ばれそう(1箱 1500円・税別)。 取材・文/露木朋子 撮影/西山 航