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ポーラ・富士フイルム、次なる「美しさ」の鍵は?最新研究に注目

2018.11.21

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【富士フイルム】最先端のナノ化技術が顔立ちまで変えるハリを


富士フイルム R&D統括本部 医療品・ヘルスケア研究所 本間俊之さん富士フイルム R&D統括本部 医療品・ヘルスケア研究所
本間俊之さん

コラーゲン培養技術により若々しいハリの源泉を解明


先進テクノロジーによる化粧品開発が進むとともに、高い科学技術を持つ他分野からの進出が増える傾向に。その代表が、80余年にわたるコラーゲン研究の蓄積と、最新のナノ化技術を誇る「富士フイルム」です。


富士フイルムの本間俊之さんによると、「意外に思われるようですが、写真フィルムの主原料はコラーゲンです。そのことから、弊社のコラーゲン研究の歴史は長く、現在は医療分野でも実用化されているヒト型のコラーゲンも手がけています。

さらに、そこで培った細胞培養技術で開発した三次元の皮膚モデルを利用し、皮膚構造の研究にも積極的に取り組んでいます」

その成果の一つが、肌の基底膜にあるメッシュコラーゲンの機能と構造の解明です。

「従来より肌のハリにはメッシュコラーゲンが寄与していることが推定されていましたが、これに関しても実際に三次元皮膚モデルを作り確認しています。さらに詳しく分析したところ、ECM1というたんぱく質がメッシュコラーゲンの構造を強化していることを発見しました」。

ECM1にはメッシュコラーゲンを守り、強く太く保つ働きが。さらに真皮と表皮をしっかり密着させ、健康な皮膚の働きを支える働きも担っており、まさにハリの源泉であることが解明されたのです。

ナノテクノロジーの応用で着実に“効かせる処方”に


化粧品開発では、有用成分を特定することや浸透力を高める処方が鍵となりますが、そうした点においても、先進テクノロジーが大きな役割を担っています。

「さまざまな素材をテストした結果、抗酸化成分として知られるレスベラトロールがECM1を増やす効果にも優れていることを発見しました。ただ、それもメッシュコラーゲンのある基底層や真皮にまで着実に届けなければ高いケア効果は望めません。

そこでコラーゲン研究で培ってきたナノ化技術を応用し、浸透力を高めました。新成分、ナノレスベラトロールEXは、浸透性に優れたオイルとレスベラトロールを組み合わせたうえでナノ化したもので、従来技術によるレスベラトロールよりも四倍も浸透性を高めています」

浸透性を高めることによって、そのケア効果の向上も期待。これまでの潤い補給だけでは成し遂げられなかった、若々しいハリの回復も実現できました。

先端技術で若々しい皮膚を再現


先端技術で若々しい皮膚を再現

皮膚培養技術によってメッシュコラーゲンがある皮膚モデルとないモデルを再現。メッシュコラーゲンがある皮膚は表皮細胞が増殖して若々しい厚みとハリを生んでいますが、ない皮膚は厚みもハリも貧弱。

ECM1がコラーゲン構造を強化


ECM1がコラーゲン構造を強化

左はECM1が少なく、メッシュコラーゲンがスカスカの状態。右はECM1が多く、メッシュコラーゲンが太く密に網目を作っています。ECM1は表皮と真皮の密着性を高め、若々しいハリを生む効果も。

資料提供/富士フイルム
取材・文/近藤須雅子

「家庭画報」2018年12月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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