事前に日時をお伝えしていたので、仕事帰りとは言え、今日通夜に行くというのは、わかっていたはずです。
友人は、ファッション関係の仕事をしており、普段からとてもおしゃれな女性。彼女なりのポリシーで、皆と同じに見える喪服は着たくないと思っていたのかもしれません。
私自身は、スタイリストという仕事をしていることもあり、どんな時でも自分らしいモードな服を着ていたいという彼女の気持ちがわからないでもありませんでした。
しかし、ファッション業界とは無縁の親戚一同は、通夜という席にもかかわらず、大胆なミニスカートを穿き、美脚を披露した女性に驚いた様子で、「あの方は誰?」とざわざわ。
今でも、法事のたびに「そういえば、あの時、ミニスカートの女性がいらしたわよね」と話題になるほどのインパクトでした。
喪の席では、「目立たない」ことが
最低限のマナー
お通夜、お葬式の席で、きちんとした服装をしていることは、最低限のマナーです。
偲ぶ会などで、「平服で」と記されているような場合でも、黒い服を着て、光りものは外すほうがいいでしょう。
他の方と違う服を着ていることは、決してプラスにはなりません。年をとればとるほど、常識をわきまえた装いをしていなければ、人間性まで疑われかねません。
「印象に残らないのがいい」と肝に銘じて、服装でソンをしない人になって欲しいなと思います。
●迷い世代の服選び…「最近何を着ても似合わない」と悩む“ファッション迷い世代”の女性に向けて、雑誌『家庭画報』で活躍するスタイリストのおおさわ千春さんが、誰でも実践できる服選びのルールとポイントをお届けします。
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おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
イラスト/大橋美由紀 編集協力/湯澤実和子