アルバム『WALK』には、ジャズアレンジの「君は薔薇より美しい」もボーナストラックとして収録。「嬉しいことに、“君バラ”は若い人達もカラオケで歌ってくれるんです」今回の“会いたい人”は布施 明さん。デビュー53年を迎えてもなお、その素晴らしい歌声で聴く者を魅了し続けています。
今年、なんと22年ぶりとなるオリジナルアルバムをリリース。
2019年春にかけて各地を回る全国ツアーの後半戦も、11月末からスタートします。変わらぬ圧倒的な歌声を、この機会にぜひ!
――ニューアルバム『WALK』を今年出された布施さん。オリジナルアルバムをリリースされたのは、22年ぶりだそうですね。
「ええ、自分でもちょっと驚きました。ベスト盤やセルフカバーのほかに、バラードやジャズ、クラシックの曲を歌ったアルバムは出していたんです。
でも、そろそろ、いわゆるオリジナルの書き下ろし曲でアルバムをつくろうかということになって、調べてみたら、22年間も出していなかったことが判明しまして(笑)」
――ミッキー吉野さんや船山基紀さん、松井五郎さんなど、作家陣も豪華な顔ぶれです。制作期間は1年半に及んだとか?
「結果的にはそうなりましたね。久々に出すからには、なるべく色々な方に曲をお願いしたいと思って、最初にコンペ形式で曲を募集したら、150曲ほど集まったんです。
それを全部聴いたうえで徐々に絞っていったんですが、アルバムにストーリーをつけたいなと思って、ここから始まって、こうして終わっていく……というような流れを考えながら選んだら、最終的に5曲になってしまった(笑)。
そこからまた新たに曲をお願いしたり、僕が3曲書く羽目になるうちに、結局でき上がるまでに1年6か月かかってしまいました」
――確かに、多彩でありながらも、一つの流れを感じさせるアルバムです。
「そう感じてもらえたなら嬉しいです。でも正直、もっと色々できたかなあとも思います。
まあ、それはいつものことで、レコーディングが終わって“これでOKです”と言われても、家に帰って考えだすと、あれこれ気になって録り直したくなってしまう。
ただ、このアルバムのある曲のある2小節だけは、上手く歌えたんです。何度も聴き直すんだけれども、その2小節だけは“いいな”と思える。
だから今は、その奇跡の2小節を目標に、その2小節がもっと広がるようにと思って、歌っています」