桐島ノエルの温泉ダイアリーズ 国内外問わず多くの“いい湯”に浸かってきた桐島ノエルさんが、ご自身の記憶に残る温泉の魅力を綴ります。
これまでの記事はこちら>> この日も目の前で大噴火、思わず大興奮の不謹慎な私。温泉天国へのゲートウェイ
鹿児島県/城山ホテル鹿児島
(文/桐島ノエル)
横浜で育ち、海外に長く住み、故郷と呼べる場所もなかった私は、日本の田舎をあまり知らない。
私の中に存在する「日本の原風景」は、ほとんど本やテレビで作られたもので、『日本昔ばなし』に登場するような小さな村のイメージだ。
だからこそ、初めて九州を訪れた時にはかなりの衝撃を受けた。
こんなにスケールが大きくて、大地の鼓動を感じられる場所が日本にもあるのかと。
中でも、縁あって訪れた鹿児島に、私は一度で心を奪われた。なにしろ桜島だ。町の目前に生きた火山があるのだ。しかもしょっちゅう噴火する。もくもくと驚くほどの力強さで、黒い煙が天に昇る。
それを見るたびに、私の中のワイルドな何かに火が点けられてしまうのだ。
11個もの活火山が存在する鹿児島は、全国有数の火山県でもあり、それゆえに素晴らしい温泉が数え切れないほど存在する。その温泉パラダイス鹿児島へのゲートウェイとも言えるのが「城山ホテル鹿児島」だ。