蝶が舞う丘への第一歩
開墾から4年目、 ようやく畑地づくりとなった。
トラクターで土を混ぜ、畝を掘る。ほぐされた土には石がいっぱい混じっているので、できるだけ取り除く。この作業がけっこう重労働だ。しばらく寝かせて、再び土を攪拌する。
最初は、菜の花とレンゲの種をまくことにした。これでやっと農家の第一歩を踏み出したわけだ。
これからは、生物多様性を高めるための農地を目指して、 色々な可能性を考えてゆきたいと思っている。
初めて植える農地には、菜の花とレンゲの種をまいた。攪拌された土は、信じられないくらいに柔らかくて踏み心地はクッションのようだ。農地からは、大小さまざまな石がでてくるので、できるだけ取り除く。トラクターで耕す西村さん。荒れた土地から農地を再現するのは、根気と努力が必要だ。菜の花の種は、サラサラとした小さな粒、来春の夢が詰まっている。「今森光彦、環境農家への道」は今回が最終話です。
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1954年滋賀県生まれ。写真家。 切り絵作家。
第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞などを受賞。著書に『今森光彦の心地いい里山暮らし12か月』(世界文化社)、『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』(山と溪谷社)ほか。
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