太りやすい行動が変わったかを毎日の体重を指標に評価する
次に患者は毎日、設定した行動目標について「よくできた」、「まあまあできた」、「あまりできなかった」、「できなかった」の四段階評価を自分で行い、その日の体重と歩数、気分や状況などを記録します。
これらの情報をもとに月1回、臨床心理士、管理栄養士、健康運動指導士とともに減量生活を振り返り、行動を変えたことがどのような効果をもたらしているのかを確認し、必要に応じて行動目標を見直します。
木村先生によると、このセルフモニタリングのカギを握るのは体重だそうです。「体重は、その人の行動が変わったかどうかを評価する指標となります。
また、毎日の測定前に体重を予測することにより自らの行動を振り返り、体重が増減した原因を探ることもできるので、減量効果を高めるのに大いに役立ちます」。
最初は予測が外れるものの、続けるうちに的中率の精度はだんだん上がってくるそうです。「これは行動と体重がリンクするようになった証拠で、認知の歪みが是正され、減量にも主体的に取り組めるようになります」。
なお、体重には日内変動があるため毎日同じ時間帯に、体重測定を習慣化できるように起床時と就寝前の1日2回量ります。「小数点まで正確に量れるデジタル式体重計がおすすめです。量り忘れがないよう生活動線上の目につく場所に体重計を置きましょう」。
さらに歩数は活動量を表します。「歩数計を持ち歩くだけで意識するようになり、自然と歩数は増えていきます。行動目標にする場合は無理をせず、現状より1000歩(約10分)程度の増加で十分です」。