城のクリスマスシーンが描かれた飾り、ハイクレアの売店でも販売。伯爵家が用意するクリスマスプレゼント
クリスマスといえば、プレゼントが気になるところ。
レディ・フィオーナは無駄遣いはしません。妹達とは、前もってプレゼントの内容を相談して、必要なものを選ぶようにします。
「英首相ウィンストン・チャーチルの『人はそれぞれ自分に与えられた分で生活しますが、豊かな人生とは自分が他人に何を与えるかによって決まるのです』という言葉が好き」というレディ・フィオーナ。クリスマスに限らず、常日頃からチャリティー活動に熱心です。
ドラマでもおなじみの階段もご覧の華やぎよう。 山積みのプレゼントは誰のもの?
12月になるとレディ・フィオーナの書斎にはプレゼントが山積みに。 贈り先は、伯爵、ご子息、妹さん、9人の親しい友達ら39人。この他に、事務所を管理するスタッフはもちろん、ハウスキーパーやシェフ、庭師や左官職人に至るまで、城のスタッフ全員112人にプレゼントを用意します!
「スタッフは私の大切な家族」という彼女、「家族だから一人ひとりの名前を覚えていて当然、プレゼントも心を込めて選びます」とも。
カナーヴォン家ではプレゼントがあまりに多いので、ツリーの下に置くことはありません。12月26日は「箱の日」
『ダウントン・アビー』の時代も、領主は使用人一人ひとりに、プレゼントを贈りました。 クリスマスの翌日12月26日は、使用人の貴重な休暇で、ボクシングデー(箱の日)と呼ばれました。 領主がクリスマスの食事の残りやケーキやプレゼントを、柳で編んだ箱型のハンパーというバスケットに入れて26日の朝、使用人達に贈ったため、「箱の日」という名がついたのです。
昔と異なり、ハイクレアのスタッフの多くは早々と休暇に入るため、レディ・フィオーナからのプレゼントは、クリスマスの1週間前に開かれるスタッフのパーティで配られます。
そうそう、もちろん愛犬たちへのプレゼントも忘れません。
●フィオーナ・カナーヴォン伯爵夫人/ロンドン生まれ。6人姉妹の長女。 セント・アンドリューズ大学で英語とドイツ語を専攻、ロンドンで国際会計士として働く。1999年カナーヴォン伯爵と結婚。一人息子エドワードの母。ハイクレアのガイドブックをはじめハイクレア絡みの数々の著書をしたため、歴史家として知られる。趣味は乗馬、読書。オフィシャル・サイトは
https://www.ladycarnarvon.com/次回の「ハイクレア城に暮らす クリスマス特別編」は12月14日配信予定です。
これまでの連載記事一覧>> 山形優子フットマン/Yuko Yamagata-footman
フリーライター
上智大学文学部社会学科卒業。カルフォルニア州立大学心理学科でヒューマニスティック・サイコロジーを専攻、修士課程修了(ロータリー財団奨学生)。新聞記者を経てフリーライターに。在英約30年。イギリス人男性と結婚、3人の娘の母。著書に『憧れのイングリッシュガーデンの暮らし』(エディシォンドゥパリ)、『なんでもアリの国イギリス なんでもダメの国ニッポン』(講談社文庫)他。
構成/樺澤貴子