左からくるみ割りとナッツ・ピッカー、ぶどうの房を切るための鋏のセット。道具も細かい用途で使い分け、当時の優雅な生活が窺える。そして、一般公開を記念して初お披露目となったのが、一家が使用していたという銀食器類。これらすべては1700年代に創業し、イギリス王室御用達の栄誉に輝く「マッピンアンドウェッブ社」製のものです。
縦75×横48センチほどの箱に丁寧に収められた数多くのカトラリー、エッグ・スプーン、調味料をすくうためのチャツネ・スプーンやマスタード・スプーンなどは、朝食のためだけのもの。用途ごとに細かく使い道が分けられています。
カトラリーのみならず、フルーツを食べる際に使われたグレープスタンドの台座には、アール・ヌーヴォーの薫りが漂う美しいぶどうや鹿の装飾が施され、いまなお煌めきを放っています。
めくるめくような侯爵家の華麗で優雅な暮らしに、思いを馳せてみてはいかがでしょう。
Information
旧前田家本邸
東京都目黒区駒場4-3-55 目黒区立駒場公園内
表示価格はすべて税抜きです。
「家庭画報」2019年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。