“悩む”という仕事があったら、柳楽さんは億万長者!?
広瀬監督が同世代で、加えて異性だったことも、プラスだったと柳楽さんはいいます。それは、「異性の監督が描こうとしてる、考えているものは、僕のイメージの遥か彼方だった」からで、「わかろうとしても無理だから、追っかけたくなるというか、ついていこうって思える」。これまで、同性の監督との仕事が多かった柳楽さんは、「異性の監督の惹きつける力っていうのはすごい」と感じたそうです。
恵まれた環境の中で演じる自身の役・シンイチについても「違和感がまったくないというか、共感できるところがありました」と柳楽さん。最も共感できる部分を聞くと、「悩んでいるところ」だという答えが。なんでも、「アルバイトをしているときに先輩から、“悩むっていう仕事があったら、お前は億万長者だよな”って言われたことがあったぐらい（笑）」だそう。
「僕やシンイチだけじゃなくて、みんないろいろ悩みますよね？ 舞台に出るときに、“柳楽が緊張してるから、こっちが安心する”ってよく言われるんですけど、人の緊張を見ると、ちょっと和らぐみたいなことってあるじゃないですか。それと似てる感じで、人の悩みを観て自分の悩みを軽減させるっていう効果がこの映画に……（笑）。新しいセラピー方法みたいな感じで観てもらってもうれしいですね。人に寄り添える映画だと思います」
目下、柳楽さんが一番悩んでいることは？ 「演技がうまくなりたいっていうことだけですね。尽きない悩み。一生、悩み続けます（笑）」
