「日本には、成熟した大人のためのライブエンターテインメントが必要です」―都倉さん
都倉 今の日本の音楽業界は、成熟した音楽のためのマーケットがないじゃないですか? 僕が取り組んでいるのはまさにその部分で、大人のためのライブエンターテインメントを気軽に楽しめる場をつくろうとしているんです。
現在、日本のインバウンドは年間3000万人で、それを国は4000万人に増やそうとしています。そのうえで課題となっているのがナイトライフで、海外からの旅行者は夜8時以降にやることがない。
食事のあと、気軽に音楽を聴いたり、踊ったりできるような場所があれば、彼らも喜ぶし、昔より力をつけたかつてのスターたちも堂々と活躍できます。
芳村 それ絶対にいい! ぜひ実現させてほしいわ。
都倉 もう一つ、ライブエンターテインメントというのは、本国でなければ本物は観られません。ブロードウェーもそうでしょう? 海外公演用のバージョンは日本でも観られますが、まったく別ものです。
そういう意味でも、インバウンド拡大の大きな推進力になる。僕はそこでぜひ、日本オリジナルのミュージカルをやりたいと思っています。
芳村 素敵ね! 応援するわ。音楽は「この曲を聴いていた頃、自分はこうだったな」というふうに、いくつになっても思い出を連れてきてくれる素晴らしいもの。
読者のみなさんにはぜひ、現役でステージに立ち続けているみんなの磨きがかかった"今の歌"を聴いていただきたいです。
70年代を代表するヒット曲
芳村真理さん、都倉俊一さん
芳村真理(よしむら・まり)
東京都生まれ。モデル、女優として活躍後、『小川宏ショー』『夜のヒットスタジオ』『3時のあなた』など数多くのテレビ番組で司会者を務め、鋭い時代感覚と温かな人柄が滲むトークで好評を博す。現在、山村と都会の暮らしを結ぶ「MORI MORIネットワーク」副代表。著書も多数。
都倉俊一(とくら・しゅんいち)
東京都生まれ。学習院大学在学中に作曲家としてデビュー。山口百恵、ピンク・レディーら多くの新人を発掘し楽曲を提供。現在は日本音楽著作権協会(JASRAC)特別顧問。アジア・太平洋音楽創作者連盟(APMA)会長。国際音楽創作者評議会(CIAM)執行委員などを兼務。
撮影/江原英二〈Astro〉(人物) スタイリング/日下部慶子(芳村さん) ヘア&メイク/角 真理子(芳村さん) 取材・文/清水千佳子 撮影協力/ソンブルイユ
「家庭画報」2018年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。