前田家の家紋、剣梅鉢を模して作られた福梅。表面に砂糖が粉雪のようにまぶされているものもあれば、蜜が塗られているだけの福梅もある。めでたき日には、紅白が金沢流
お正月を彩る和菓子「福梅」
菓子処の金沢のお正月菓子に紅白のおめでたい和菓子「福梅」があります。
加賀藩前田家の家紋の剣梅鉢をかたどった紅白の最中で、中のあんは、日持ちさせるために小豆に水飴を加えた、粘り気があるあんを使用。表面には、蜜が塗られ、砂糖がまぶされています。
お店によって、包装もさまざま。1個150~160円ぐらいで販売している。この文言を読めば、だいだい想像できますが、とっても甘いです。紅白両方を食べきるには、お茶が必須ですが、そこは、さすがの金沢の銘菓。ただ甘いだけでなく、上品で品のある甘さです。
話はそれますが、金沢の鏡餅は紅白のお餅です。
私も学生時代は帰省していたので、これがスタンダートだと疑いませんでした。
編集部に入って初めてお正月特集をしたときに先輩に「鏡餅は両方白」と教えられた日の衝撃は今でも忘れられません。とにもかくにも、めでたき日には、紅白というのが金沢流です。
「福梅」は、お店ごとに型も、味わいも異なります。食べやすいように表面に砂糖をまぶさないお店もあります。年末年始の時季は、どの菓子屋に行っても必ず置いてありますし、もし、今年、逃してしまったら来年ぜひご賞味を。
毎年1月の第一日曜日に行われる出初式では、消防団による加賀鳶(かがとび)が披露される。 直江磨美/Mami Naoe
フリー編集者&ライター
金沢市生まれ。大学卒業後、出版社の婦人雑誌編集部に勤める。2008年に金沢にUターンし、フリー編集者・ライターとして活動する。