【問題】
泡の出るワインをすべて「シャンパン」と呼んでいませんか?
文/谷 宏美(ワインライター、J.S.A.認定ワインエキスパート)
泡の出るスパークリングワインのことをすべて「シャンパン」と呼んでいませんか? 発泡性のワインはスパークリングワインといいます。シャンパンはスパークリングワインの一種で、フランス語で「シャンパーニュ」。これはシャンパーニュ地方で17世紀後半にドン・ペリニヨンという修道僧によって発案された製法の名前ですが、現在はEU基準によるワイン法で厳格に定められた条件をクリアした、シャンパーニュ産のスパークリングワインにしか使えない名称なのです。
主な規則だけでも、生産地域や、使用するブドウ品種とその樹の剪定方法、1ヘクタールあたりのブドウの収穫量や圧搾で得る果汁の量、ブドウ収穫時の予想アルコール度数、瓶内二次発酵製法と瓶内の熟成期間といった、一般的なスパークリングワインに比べて非常に細かくて厳しい項目が並びます。これらをすべて満たし手間暇をかけて造られるシャンパーニュは、スパークリングワインの最高峰といえます。
ソムリエのいるレストランやワインバーでは「とりあえずシャンパーニュ」とオーダーして差し支えありません。しかし、カジュアルなシーンやフリードリンクのサービスでは、フランスのクレマンやイタリアのスプマンテ、スペインのカバといったスパークリングワインが出されることが多くなります。
フルート型グラスに入ったスパークリングワインをなんでも「シャンパン」と呼ぶのは、今日から改めましょう。
【答え】シャンパーニュでないものをそう呼ぶべきではありません。
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写真/PIXTA 協力/
奥山 久美子(アカデミー・デュ・ヴァン 副校長)