【問題】
今、知っておくべき”ビオワイン”のこと。その定義とは?
文/谷 宏美(ワインライター、J.S.A.認定ワインエキスパート)
ナチュラルワインと称される、ビオワイン、オーガニックワイン、ナチュラルワイン、自然派ワイン(フランス語ではヴァン・ナチュール)。「ビオワインは二日酔いにならない」「ナチュラルワインだから頭が痛くならない」という声も耳にします。けれど、これらはいろいろなことが混同されて使われているようです。
ビオとはフランス語の「ビオロジック」でオーガニック(有機)農法のこと。オーガニックの認定機関は、フランスのエコセールやアメリカのUSDA、ドイツのデメターなどがあります。また、「ビオディナミ」(英語でバイオダイナミクス)という人智学者のルドルフ・シュタイナーが提唱した農法があり、いずれもブドウの栽培方法に関する言葉です。
ナチュラルワインの厳密な定義はありません。しかし、天然酵母で発酵させる、酸化防止剤である亜硫酸塩(SO2)を無添加もしくはごく少量にとどめる、補糖・補酸をしない、濾過をしない、といった人為的工程を抑えるやり方で醸造されたワインを指す場合が多くなっています。
また近年、世界中のワイン産地では、社会的に公正かつ持続可能な「サステイナブル(環境に配慮した持続可能)なワイン造り」を、厳格な農法規約やプログラムにより実践する動きが進んでいます。
古くから、どの産地においても意識の高い生産者は化学肥料や農薬を使わず、自然な製法でワインを造ってきました。そうした造り手にとっては、ブームともいえる現状は滑稽に思えるかもしれません。「ビオワイン」と名乗らずとも、きちんとした造り手は大量に化学肥料を使ったり、必要以上の亜硫酸塩を添加したりはしないのです。あまり神経質にならずに、ワインを楽しんでみませんか。
【答え】ブドウの栽培や醸造の方法までさまざまな考え方があり、また認証も産地により状況が異なるため、一概にはいえません。
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写真/PIXTA 協力/
奥山 久美子(アカデミー・デュ・ヴァン 副校長)