タプナードとは、オリーブをペーストにしたものの総称。イタリアではトマトとオリーブとケッパーを合わせたものをタプナードと呼ぶ地方もあります。また地中海全般でもツナを入れるところがあったり、ドライトマトを使うところもあったりと、国や地方によって材料や作り方が違いますが、黒オリーブを使う点は共通しています。
本レシピのタプナードは、なんと八丁味噌入り。ケッパーの酢漬けとアンチョビ、昆布だしも加えてミキサーにかけて作ります。このタプナードを焼いた野菜とホタテに添えて召し上がれ。ホタテはしっとり焼き上げたいので、冷蔵庫から出してすぐの冷えたものを使いましょう。焼く面はしっかり水分を拭き取りフライパンでカリッと焼き、中はレアに仕上げるのがポイントです。佐藤夢之介シェフの『旬の野菜でシンプル・イタリアン』より。
【材料 2人分】
・ホタテ貝柱 刺し身用 4個
・お好みの野菜 好きなだけ(写真では紅芯大根、紅しぐれ大根などを100g使用)
・
ニンニクオイル 大さじ1
・塩(エミリア・ロマーニャ※) 適量
■タプナードソース
・黒オリーブ(種なし) 50g
・ケッパー酢漬け 10g
・アンチョビ 1枚
・八丁味噌 5g
・昆布だし 少々
※イタリア、エミリア・ロマーニャ州産の甘みのある粗挽き塩。他の粗挽きの塩で代用可。
【作り方】
1:タプナードソースを作る。材料をミキサーにすべて入れ、滑らかになるまで攪拌する。
2:ホタテはペーパータオルなどの上にのせ、片面の水分をしっかり拭き取る。
3:フライパンにニンニクオイルをひき、野菜を並べ弱火にかける。
4:野菜の片面に焼き色が付いて、野菜の水分が表面に上がってきたらひっくり返し、ホタテを水気を切った面を下にしてのせ、全体に塩を振る。
5:火が通った野菜からお皿に盛り付け、ホタテの片面がカリッと焼けたらひっくり返し、すぐお皿に盛る(片面はほとんど焼かずにしっとりと焼き上げる)。
6:タプナードソースをお皿にひく。
著者は東京・小石川のイタリアンレストラン「シンプル リトル クッチーナ」オーナーシェフ。料理は野菜が中心で、肉、卵、チーズ以外の乳製品を使いません。しかし肉好きが敬遠する「健康そうだけど物足りない料理」ではなく、肉好きをも満足させる充実した美味しさが特徴です。秘密は昆布だしをはじめとするだしの使い方にあります。かといって和風イタリアンではなく、「佐藤夢之介のイタリアン」としかいえない料理なのです。四季のレシピをお楽しみください。
佐藤夢之助(著)
定価:本体1,500円+税
撮影/西山 航