ガスオーブンから窯出しをする南部シェフ。パチパチと音を立て、甘く香ばしい香りが工房内に一気に広がる。「生地がとろとろなので型が必要なのです。香りのよさは余計なものを入れないから。国産小麦を自家製の天然酵母で発酵させ、発酵バターと岩塩、生クリームを練り込んでいます。洗双糖 (せんそうとう)は酵母の発酵を促すため。ほんのりした甘みは天然酵母の甘みなんです」と奥さまの孝子さん。
5センチ角のミニ食パン。手前がプチアズキ、奥がプチゴーダ。各200円(税込み)。ほかにプチショコラがある。「プチパンまで全部、型で作っているというのがユニークです。口どけがよくて食べやすく、発酵の香りがいい。オーガニックにこだわる一つ一つの素材のよさが、おいしさに直結しています。ククリの『キューブ』はまさにブームの先端をいくパンの一つですね」と池田さんは語ります。
両手に自作の食パンを持つ南部シェフ。向かって右の皿は右から油脂と糖分を使用しない、もっちりと食べ応えのある「セーグルコンプレ」。和食にも合う。中央は山食の「ククリ」。軽くてさっくり。おすすめはトーストやサンドイッチ。左は「キューブ」。左の皿は練り込んだ食パンで、右から松の実とはちみつを練り込んだ「ミエル」。「レザン」「ショコラ」。 Information
食パン専門店 ククリ
東京都大田区田園調布2‒51‒7
- キューブ 1本650円 1/2本330円(ともに税込み) 予約可 発送可 焼き上がりは10時、15時頃 おすすめの厚み/2センチ
池田浩明さん
「パンラボ」主宰
(いけだ ひろあき)パンライター。NPO法人「新麦コレクション」理事長。こよなくパンを愛し、全国津々浦々を巡ってパンを食べ、執筆や講演活動を通して、パンについての最新情報を発信。著書に『食パンをもっとおいしくする99の魔法』(ガイドワークス刊)、『パン欲』(小社刊)などがある。
表示価格はすべて税込みです。
撮影/角田 進
「家庭画報」2019年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。