2025万博に向けて“粉もん”文化は進化する
食の街・大阪を象徴する“くいだおれ太郎”。大阪万博では食にも期待。森下 2025万博では世界中から訪れた人に大阪名物の“粉もん”を味わっていただきたいものの、お好み焼きにしてもたこ焼きにしても糖質が高い。
山田 通常の粉をふすまや大豆、難消化性でんぷんを原料とする粉に替えてもらうと糖質が気になるかたにも安心して食べていただけます。すでにこのような粉は開発されていて、低糖質のお好み焼きやたこ焼きが楽しめます。
森下 “粉もん”を食べると太るのはわかっているから食べる量を減らす。だけど、それでは物足りないからソースをたくさんつけて食べるという人も多いのです。
山田 実はソースの糖質も高いです。多めにつけるのなら糖質がもともと低いマヨネーズのほうが食後血糖値を抑制し太りにくい。
大阪の料理人、食品企業のみなさんが“粉もん”をはじめ大阪名物の低糖質化に果敢に挑戦してくださっています。2025万博に向け、大阪の食文化は進化し続けるでしょう。
森下 健康的な食事に関心の高い人たちにも安心して“粉もん”文化を楽しんでいただける世界が広がっていくのは本当に心強いことです。2025万博の楽しみがまた一つ増えますね。
山田先生、森下先生
山田 悟先生
(やまだ・さとる)食・楽・健康協会 代表理事。1994年、慶應義塾大学医学部卒業。2011年より北里研究所病院糖尿病センター長。糖尿病専門医。臨床・研究とともに社会に向けて“ゆるやかな糖質制限食”の啓発と普及に精力的に取り組む。
『ゆるやか糖質オフレシピ』(小社刊)にはおいしく健康的なレシピが満載。今日からすぐに実践できる『世にも美味しいゆるやかな糖質制限ダイエット』(小社刊)も好評発売中。 森下竜一先生
(もりした・りゅういち)大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学教授。1987年、大阪大学医学部卒業。2003年より現職。抗加齢医学専門医としてアンチエイジング医学の造詣も深い。日本抗加齢医学会副理事長、日本抗加齢協会副理事長。万博基本構想委員を務め、万博誘致にも尽力する。
撮影/久間昌史 八田政玄 取材・文/渡辺千鶴
「家庭画報」2019年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。