大衆演劇の俳優を両親に持ち、4歳で初舞台。華麗な立ち回りと女形での妖艶な踊りで、観るものを魅了する。1月に上演される音楽活劇『SHIRANAMI』に、早乙女太一さんが出演します。幕末を舞台にしたエンターテインメント時代劇です。太一さんが演じるのは、帝の妹・和宮のお守り役・菊霧。稽古場にお邪魔して、現在の心境などを伺いました。
――太一さんをはじめ、多彩な顔ぶれが出演する本作品。見どころ満載の舞台になりそうですね。
「まだ稽古の途中で、変わっていくところもあるとは思うんですが、元宝塚歌劇団の男役トップスターの龍(真咲)さんが劇中で男性に扮したり、ミュージカルで活躍している伊礼(彼方)さんの歌があったり、僕も女性に扮したり……。それぞれがやってきた芸事が、お芝居の中に見せ場として挟み込まれているので、華やかなものにはなると思います」
――作品のモチーフになっているのは、日本屈指の盗賊“白浪五人男”の活躍を描いた河竹黙阿弥による歌舞伎の人気演目『青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)』だそうですね。
「はい。でも、『白浪五人男』そのものをやるわけではないんです。物語の舞台も、歌舞伎で『白波五人男』が上演された頃より後の幕末で、当時の歴史的な出来事がたくさん出てきますし。たとえば僕が演じる菊霧は、14代将軍徳川家茂と結婚することになった和宮を江戸で守るため、仮の姿として“白波五人男”の弁天小僧菊之助を名乗ります。同じように、それぞれの事情や目的のために別の顔を持つ人間達が運命的に繋がって、一つの目的のために力を合わせる……というのが大筋です」