食パンは、そんな日常的なパンの代表格。割田さんが作る「パン・ド・ミ」は、個性を強く主張するものではありません。
ただし、小麦粉の風味、バターの風味、そして多くの人が食パンに求めるほのかに甘い風味ーーこれらのバランスをていねいに調整して作り上げた、食べれば滋味が体中にしみ渡るような深さがあります。
「パン・ド・ミ」は国産小麦を配合した、もっちりした食感が印象的。耳は、翌日以降にトーストしたときに程よい堅さになるよう調整している。 食感は、しっとり、もっちり。そして、3日後までこのおいしさが続きます。「食パンは、1日で1本は食べきれないはず。お客さまの現実に沿うパンであるよう、配合や作り方を工夫しました」。
店内と厨房はガラス一枚で隔てるのみ。オーブン前で作業する割田さんを見ることができる。パン・ド・ミは30本ずつ、1日2回焼く。毎日売り切れる人気のアイテム。食べ方は「焼きたてはそのまま。翌日以降は、厚切りを高温で軽くトーストするのがおすすめ」。小麦の香りが立ち上がります。一見普通でありつつも、不思議と後を引き、毎日食べたくなるパン。割田さんの「日常」への強い思いが詰まった食パンです。
Information
ビーバーブレッド
東京都中央区東日本橋3‒4‒3
- パン・ド・ミ 1本800円 1/2本(1斤)400円(ともに税込み) 予約可 発送不可 焼き上がりは8時、13時30分~14時頃 おすすめの厚み/1斤を5枚切り
表示価格はすべて税込みです。
撮影/松川真介 取材・文/柴田 泉
「家庭画報」2019年2月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。