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遺伝子を調べてがん治療に生かす、最先端「がんゲノム医療」とは?

2019.01.18

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がんゲノム医療を進める体制づくりが始まっている


現在、国は、国内どこでも、がんゲノム医療が受けられる体制をつくろうとしています。

2018年2月には、全国で11のがんゲノム医療中核拠点病院(北海道大学病院、東北大学病院、国立がん研究センター東病院・中央病院、慶應義塾大学病院、東京大学医学部附属病院、名古屋大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院、大阪大学医学部附属病院、岡山大学病院、九州大学病院)が指定されました。

このがんゲノム医療中核拠点病院は、がん遺伝子パネル検査を実施できる体制があり、その結果を医学的に解釈できる専門家集団がいること、遺伝カウンセリングができること、すでに一定数のパネル検査を行った実績があることといった指定条件があります。


また、これらの11の病院のもとで、がんゲノム医療を推進する、がんゲノム医療連携病院も全国で100か所、3月に指定され、10月には35か所が追加指定されました。

そして、これらの病院で行われたがん遺伝子パネル検査の結果は患者に伝えられると同時に、個々の患者のがんの遺伝子情報と診療情報を組み合わせて、患者の年齢や性別、がんの種類、性質、薬の効果や副作用といった情報を匿名にしたうえでデータベース化していきます。

このデータベースの構築を担うのが国立がん研究センターに設置された「がんゲノム情報管理センター」(C-CAT)です。

「日本人のがんならではの遺伝子の異常も見つかっており、日本でのがん治療に役立つよう、日本人のがん遺伝子の情報を集める必要があります」(中釜さん)。

そして、数十万〜数百万人の規模でデータが集まってくる場合に備え、人工知能(AI)による分析の研究が進められています。

このようなデータベースを構築し、それを診断法や治療法の開発に使うことで、「検査の質が向上したり、新しい薬が生まれたりする可能性が高まります。

臨床試験を含めて、がん遺伝子パネル検査を受けた患者さんの3〜4割は遺伝子異常に応じた治療を選択できるようにするのが目標です」と中釜さん。

将来的には電子カルテ上の病理検査や画像検査などもともに参照できるデータベースとなることも期待されています。
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